NHKテレビのBS2とハイビジョンで放送している『名作をポケットに』は小説を中心に近代の名作の舞台を「旅人」が訪ね、その作品が作られた背景や作者の思い・人生観などを綴る番組です。今回、山形県出身の歌人・斎藤茂吉の晩年の歌集『白き山』の舞台、山形県・大石田町を佐藤 輝が「旅人」として訪ねました。構成・谷口かおり。
大石田町は山形県内有数の豪雪地帯で、2メートル積もると「大雪になった」と言う土地です。今年(2003年)の初仕事となったロケ初日、除雪してあった駅前広場を見てこの程度の積雪かと少々不満気味のロケ隊でしたが、その直後、急にぼたん雪が降りだし、山も川も見えない、どこを撮っても同じ白一色の大雪になってしまいました。
その天気の中で、歌人斎藤茂吉が敗戦による挫折に耐えながら昭和21年2月から翌年11月まで一人で住み、その間に大病を患った家『聴禽書屋』(ちょうきんしょおく)や、散歩した道、最上川を眺めた橋などを訪ねて、茂吉と大石田の人たちとの交流、詠んだ歌についての感想を語りました。
佐藤 輝はロケの感想を「故郷だからと言うだけで贔屓する訳じゃないけど、県内全市町村に温泉が涌いている山形県。ロケ中の泊りは地元のあったまりランド深堀『虹の館』などの温泉。そば街道として知られた美味しい手打ちそばと旨い地酒、それにしんしんと降り積もる雪を眺めながらの露天風呂。大雪の中を新庄名物のくじら餅をお土産にロケ見舞いに駆けつけてくれた高校の同級生。故郷、雪国のあたたかさが身にしみた仕事だった。」
「茂吉の『白き山』を訪ねながら自分自身を振り返りあらためて故郷を思った。これからの人生にとって大事な感慨深い旅になった。」
「 帰る日も雪で『最上川の上空にして残れるはいまだ厚き雪雲のかたまり ! 』と大石田に別れを告げて来た。大石田町は蔵作りの建物が点在し、芭蕉が『さみだれを集めてすずし最上川』の句を詠んだ、文化と歴史の街。皆さんも是非雪の最上川と雪見風呂を楽しみにお出掛け下さい。『白き山』を満喫出来ること請け合いです」と語り、次の俳句を詠みました。
◆この岸も 彼の岸も雪 最上川
◆ぬくもりの 雪のふとんや 大石田
◆雪の原 ふりわけ黒き 最上川
■問い合わせ電話
●大石田町立歴史民俗資料館『聴禽書屋』0237-35-3440
●あったまりランド深堀『虹の館』0237-35-5353
■2004年総合テレビ全国放送『名作をポケットに
斎藤茂吉・歌集「白き山」』
2003年にBS2とハイビジョンで放送されて好評だった『斎藤茂吉・白き山』が総合テレビ(全国放送)で再放送されます。佐藤 輝が山形県出身の歌人・斎藤茂吉の晩年の大作『白き山』の舞台、山形県・大石田町を「旅人」として訪ねました。構成・谷口かおり。
放送日時<変更> 総合テレビ
2004年3月1日(月)午前11:05〜11:29
全国放送
※事件・災害が起きた場合、番組が休止することがございますので、ご了承ください。また地域によって放送されないことや都合により時間変更することがありますので週間番組表や当日の番組表でご確認下さい。
好評につきアンコール放送
◆放送 NHK
BS-2 2003年3月20日(木)19:30〜19:54
3月23日(日)朝6:30〜6:54
2003年1月30日(木)にBS-2で放送されて、放送直後から「感動した」「生きる勇気を貰った」「風景が奇麗 ! 」「雪の最上川に是非行ってみたい」「『白き山』を読んでみます」「短歌朗読が心にしみる」「輝さんの帽子とメガネ、コート、マフラーのコーディネイトがお洒落
! 」「なかなか風格がありました」などの感想が届き好評だった『名作をポケットに』斎藤茂吉『白き山』がアンコール再放送されることになりました。
番組が好評でアンコール放送されることは、番組作りに参加した者としてこんなに嬉しいことはありません。大石田ロケの収録中から、スタッフのチームワークを見ていて良い作品になるだろうとの予感はありましたが、思った以上の仕上がりで心に残る良い番組になったと喜んでいます。
この『白き山』の仕事は、茂吉の世界を訪ねながら自分自身を再認識し、俳優としてのこれからの生き方を見定める大切な意味を持つ仕事になった。
あの天候の中で頑張った谷口ディレクターはじめスタッフの皆さんに、お目出度う ! お疲れ様 ! お祝いと感謝の気持ちを送ります
!
輝 ☆彡
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