山形県・庄内平野・庄内町・俳優 佐藤 輝 - 5
        
佐藤 輝の世界 山形県・庄内地方・庄内町 - 5
        
        
当ホームページ内に掲載されている俳優・佐藤 輝の故郷、山形県・庄内地方・庄内町に関係する部分をまとめました。
        
H O M E | プロフィール | 俳優・佐藤輝 | サンチョ写真館 | 俳句 | エッセイ | てるてる広場 | 縁あってリンク

 
山形県・庄内地方・庄内町03年3月〜04年12月 05年2月〜06年6月 06年7月〜07年5月 07年6月〜08年12月 
09年1月〜10年1月 10年4月〜11年3月 11年3月〜6月 11年7月〜12月 11年12月〜12年3月 12年5月〜11月
 12年11月〜13年5月 13年8月〜14年7月 
14年8月〜16年8月 16年10月〜17年11月  17年11月〜現在 
 山形県出身芸能人文化人
 

           
2009年1月〜2010年1月



山形県庄内町余目から見た庄内平野のシンボル鳥海山(2,236m)。『出羽富士』とも呼ばれる



2010年1月 

 日本海側に大雪を降らせた筋状の雲が久しぶりに天気予報の画面から消えて、今日は陽射しがやわらかい。
 洗面所で如雨露に水を入れてバルコニーへ往復する鉢たちへの水やりも、寒風を受けながらするのとは違って、たっぷりゆっくり、それぞれの鉢の様子を観察しながら楽しんだ。

 山茶花は最後の一花が葉陰にひっそりと咲いている。
 その隣り、「舘椿(たてつばき)」と呼んで大事にしている薮椿は、明日にも二番花が咲きそうにつぼみがふくらんで、鮮やかな赤色が見えてきた。

 この舘椿は、少年時代の僕が大好きだった薮椿の子供。
 故郷山形の雪に閉じこめられた厳しい寒さの墨色の季節の中に、燃えるような鮮やかな深紅の花を咲かせて春の息吹を感じさせ少年の心を奮い立たせて元気をくれたのは、生家の庭にある高さ3メートルほどもある薮椿。その実がこぼれて、地上に生え出た実生苗(のっこ)を30年以上も育てた鉢だ。

 季節の最初に咲く一番花は力がみなぎり形も良く、色がさえて最も美しい。今年も一番花を楽しみにして正月帰省から帰ってきた。そして、7日に咲いた。
 ところが、その直前、少し開きはじめたまだ蕾のうちに、早朝、夢心地の中で、ひよどりの囀りを聞いたから多分ひよどりだろう、それに花びらの先端をかじられてしまった。

 だから今年の一番花は完全な形では見ることができなかった。それでもその鮮やかな艶のある深紅の花は、寒さにめげず僕を元気付けてくれた。元気をもらいながら、今年の大雪の中でも咲いているであろう、生家の庭の親木を思った。

俳優佐藤輝 撮影 つばき舘椿

 思えば、と言うか、思わず知らずと言うべきか、途中途中には掲示板への書き込みをしたものの、このページは2カ月ぶりの更新。誰に謝らなければならないこともないのだけれど、スミマセン。

 この間に『おしん 少女編』全国公演は、昨年12月2日岩手県盛岡市でめでたく千秋楽となり、24会場、52回上演の全行程を終えることができた。

 今は少し下火になっている新型インフルエンザが最も広がっていたあの時期に、ダブルキャストのおしん役・佐々木麻緒ちゃんと諸星すみれちゃん、加賀屋加代役の渡邊ひかるちゃんと神山未来ちゃん、この4人の子役から淡島千景さんまで出演者24人と子役のお母さん4人を含めた全員が1台のバスに乗り、夜の公演終了後に翌日の公演地まで、時には520キロを移動する超ハードなスケジュールを、1人の病人も出さずに無事に終えることができたのは、みんなが体調管理をしっかりとしたプロ意識のなせる技だと思う。何と言っても、毎日ずらりと白いマスクが並んでいる客席を前にして演じていたのだから。

 その状況下でも各会場に来て舞台を見て下さった多くのお客さまには心から感謝しています。感動した客席の熱い拍手が、僕たちを元気付ける一番のビタミン剤でした。

 泣いた! 感動した! の感想は異口同音に聞かれ、「地方のホールでこれほど大掛かりに道具を仕込んだ舞台は見たことがなかった」や「さすがに出演者のレベルが高い」などの感想を聞いた時には、こんなに喜んでもらえて地方巡業をした甲斐があったと喜びました。

                  輝 ☆彡   2010.1.19


『おしん 少女編』カーテンコール 



 上の写真は全国公演中唯一の記念すべきカーテンコール。12月2日、僕が高校生活を送った山形県酒田市・希望ホールで。

 高校の同級生を中心にした同期「酒東39会」のメンバーから、地元公演お祝いの花束を渡したいが都合が良いのはいつか、と連絡をもらったのがことの始まり。
 商工会議所の専務理事を務める同期生が働き掛けてくれた酒田市と観光協会に加えて、経済連、中学同期、古くから応援してくれた知人などからも申し出があって、メインの出演者全員への花束贈呈となった。
 終演後に1分でも早く道具も衣裳も片付けて移動するスケジュールの中、当日は1回公演のローテーションで出演のなかった佐々木麻緒ちゃんも諸星すみれちゃんと一緒におしん扮装でカーテンコールに参加した。客席からは熱い拍手と歓声が沸き上がって、会場全体が感動に包まれた。

 僕は主宰していた劇団動物園が旧酒田市民会館で『ろば』『むかし・まつり』を公演して以来30年ぶりの酒田での舞台出演。生家のある隣町・庄内町からも大勢の知り合いが駆けつけてくれたし、酒田東高校の後輩400人も観劇してくれた。

 「こんなに沢山のご来場、ありがとうございました。今朝の快晴の空の下、真っ白の雪をかぶった鳥海山と月山の間にあるこの庄内平野で、僕は沢山の感性をいただきました。そして高校卒業以来45年間、小学校中学校の同期、高校の同期の仲間、地域の多くの皆さんに支えられて俳優を続けてきました。そして今日は高校の若い後輩、1、2年生400人の皆さんも観に来てくれました。ありがとうございます。これからも体の続く限り、一人でも多くの皆様に感動していただくために俳優として演技を続けますので、どうぞ応援してください。またな、またなぁ、またなぁ〜ッ! 」と定次役のユーモラスな動きを入れて挨拶。満場の拍手と歓声に包まれて、涙がでるほど感激した。
 花束の手配に奔走してしてくれた皆さん、カーテンコールを設定してくれた制作スタッフの皆さん、バラシ片付けが遅れるのも承知で段取りを付けて手伝ってくれたスタッフの皆さん、その皆さんの協力があって感動的なカーテンコールができました。僕もお礼の挨拶をさせていただけました。感謝申し上げます。

                  輝 ☆彡   2010.1.19


正月帰省した山形 

俳優佐藤輝 山形自動車道

 これでも高速道。
  山形自動車道は50キロ規制。雪道では急ブレーキと急ハンドルが命取りになる。ゆるゆると庄内平野に入った。

俳優佐藤輝 山形県庄内平野地吹雪

 庄内の雪は強い西風に吹き飛ばされて横からなぐりつける地吹雪(ブリザード)になる。空は見えても進む道もとなり村も見えなくなることがある。風の通り道には雪が積もり吹き山ができる。今年の正月はまれに見る大雪に見舞われ、久しぶりに故郷の冬の厳しさを実感した。

   地吹雪の 晴れて一村 間近なり  輝 

 明日は4月中旬の最高気温になるとの予報。
 舘椿も一斉に咲きだしそうだ。
 ひよどりが来る前に、深紅の花から元気をもらおう。

                  輝 ☆彡   2010.1.19




全国特別公演 おしん 少女 は
お陰様で無事に公演を終了しました。
応援ありがとうございました ! ! 


佐藤 輝 出演情報

2009年11月〜12月 舞台出演

全国特別公演 後援 : 山形県
  11月27日(金) 山形県 山形県県民会館 13 : 00 17 : 00      
  12月01日(火) 山形県 酒田市民会館 (希望ホール) 18 : 30      

橋田壽賀子/原作  菊村 禮/補綴  石井ふく子/演出
 
おしん 少女編

おしん少女編チラシ
 
8月の名古屋・御園座公演に引き続き、佐藤 輝も定次役で出演します。
 各地の皆さまとの再会を楽しみにしております。お近くの会場に是非おいでください。

 全国特別公演
  11月01日(日) 大阪府岸和田市 波切ホール  15 : 00            
  11月02日(月) 京都府宇治市 宇治市文化センター  13 : 30 18 : 00    
  11月03日(火) 奈良県橿原市 橿原文化会館 13 : 00 17 : 00       
  11月04日(水) 兵庫県神戸市 神戸文化ホール 14 : 30 18 : 30      
  11月05日(木) 徳島県徳島市 徳島市立文化センター 13 : 00 17 : 00   
  11月06日(金) 岡山県岡山市 岡山市民会館 13 : 00 17 : 00       
  11月09日(月) 東京都台東区 浅草公会堂 14 : 00 18 : 00        
  11月10日(火) 東京都台東区 浅草公会堂 11 : 00 15 : 00        
  11月11日(水) 東京都台東区 浅草公会堂 11 : 00 15 : 00        
  11月12日(木) 東京都台東区 浅草公会堂 11 : 00 15 : 00        
  11月13日(金) 福島県郡山市 郡山市民文化センター 13 : 00 17 : 00   
  11月15日(日) 群馬県沼田市 利根沼田文化会館 13 : 00 17 : 00     
  11月16日(月) 栃木県宇都宮市 栃木県総合文化センター 13 : 00 17 : 00 
  11月17日(火) 埼玉県越谷市 サンシティ越谷市民ホール 13 : 00 17 : 00 
  11月18日(水) 静岡県静岡市 静岡文化会館 13 : 00 17 : 00       
  11月19日(木) 神奈川県厚木市 厚木市文化会館 13 : 00 17 : 00     
  11月20日(金) 長野県長野市 長野県県民文化会館 13 : 00 17 : 00    
  11月22日(日) 岐阜県岐阜市 岐阜市民会館 13 : 00 17 : 00       
  11月23日(月) 石川県金沢市 石川厚生年金会館 13 : 00 17 : 00     
  11月24日(火) 富山県富山市 富山県民会館 13 : 00 17 : 00       
  11月25日 (水) 山梨県甲府市 山梨県立県民文化ホール  13 : 00 17 : 00  
  11月26日(木) 宮城県仙台市 東京エレクトロンホール宮城 13 : 00 17 : 00
  11月27日(金) 山形県山形市 山形県県民会館 13 : 00 17 : 00      
  11月28日(土) 新潟県新潟市 新潟県民会館 13 : 00 17 : 00       
  11月30日(月) 秋田県秋田市 秋田県民会館 13 : 00 17 : 00       
  12月01日(火) 山形県酒田市 酒田市民会館 (希望ホール) 18 : 30      
  12月02日 (水) 岩手県盛岡市 盛岡市民文化ホール  13 : 00 17 : 00    


制作 : 松竹株式会社 製作 : 株式会社アイエス 後援 : 山形県 

【主な出演者】
淡島 千景  音無 美紀子 勝野 洋 斉藤 暁 堤 大二郎 佐藤 輝
佐々木麻緒 諸星すみれ
小宮 健吾 小泉まち子 伊藤みどり


『おしん 少女編』関西、四国、中国 

 全国公演第1ラウンドが無事に終わった。

 11月1日に大阪・岸和田市で初日を迎えてから、京都・宇治市、奈良・橿原市、兵庫・神戸市、四国・徳島市、そして6日に中国地方・岡山市で公演したあと東京に帰ってきた。

 涙が乾かないままの目で「泣くのが嫌だから観るのをやめようと思ったけど、観て良かったァ! 泣きっぱなし、感動しましたよゥ!」と感激の感想を言いながら、各地で知り合いや知人の友人などが楽屋を訪ねてくれて、元気と励ましをいただいた。特に旅先ではこれが大きな励み。ありがとうございました !

 旅先から掲示板にも少し書き込みしたけど、本当に久しぶりの、今までの色々な思い出と絡み合った土地土地を回る旅だったので、この1週間は僕にとって、とても感慨深い毎日だった。

 ここ数年ずうっと、大阪に行ったら何としても寄りたいと思っていたのは鶴橋にある焼肉の店・吉田。
 でも今回の泊りと公演は岸和田市。

 関東に住む僕の感覚では、岸和田と鶴橋は遠く離れていて、公演前日の夜の間に簡単に行って来いができる距離ではないように思われてあきらめていたが、ホテルのフロントで聞くと難波で乗り換えても40分くらいで着くという返事。すぐに南海電車に乗った。

 吉田は、16年前の1993年、僕がギリシャ・クレタ島に駐留するイギリス提督役で出演した藤田まことさん主演のミュージカル『その男ゾルバ』大阪梅田・劇場飛天(現在の梅田芸術劇場)公演の時にゴンちゃんこと上月晃さんが連れて行ってくれた店。

 美味い ! ただの焼肉ではない、肉が美味いし更にこくのある味付けがしてある。カルビもだがホルモンも美味い。ハラミなんかとろける。キムチも、口当たりの良いマッコリも、感動して食べてぐいぐい飲んだ。世の中にこんなに美味い焼肉があることを初めて知って感動し、食い気が先行した単純な結論だが、こういう店を知っている上月さんてスゴイ人なんだなあと感心してしまった。

  以来、近鉄劇場での『近松心中物語』、劇場飛天の『マイ・フェア・レディ』『屋根の上のヴァイオリン弾き』『ラ・マンチャの男』厚生年金会館での『子午線の祀り』公演、京都・太秦に『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』などテレビの仕事で行った時も吉田まで足をのばした。

 久しぶりに会ったオモニは相変わらずおおらかで、前向きに生きるバイタリティーがあふれている。このオモニが吉田の最大の魅力。オモニの、客に喜んでもらいたいという熱い思いが焼肉の美味さを作り出している。
 そんなオモニの思いと通じる僕の芝居作りの思いにオモニは共感してくれて話が弾み、その間に僕は二人前ほどの焼肉をペロリと平らげた。

 神戸から徳島、岡山のルートは、木下順二作『子午線の祀り』1999年の新国立劇場公演に義経の一の郎党・伊勢の三郎役で出ることが決まって、源平合戦の距離感と風土感を実感として持ちたいと思い、伊勢の三郎が山賊暮らしをしていた鈴鹿峠を振り出しに、平家が義経に敗れて瀬戸内海を敗走することになった最初の地神戸・須磨一の谷ひよどり越から平知盛が入水した関門海峡壇ノ浦までの全ルートを自動車で走った時のコースと同じだった。
 
 4日、神戸で昼夜2回の公演を終えて徳島へ2時間のバス移動。11年前と同じ、美しく弧を描く明石海峡大橋のイルミネーションに導かれて、神戸須磨明石の街明かりに見送られながら夜間飛行に飛び立つような気分で徳島へ。
 
 徳島の皆さんの反応の良さに感激。芝居を心から楽しんでいる様子が舞台にも伝わってくる。泣いて笑って拍手してくれる。演じていてこんなに嬉しくありがたいことはない。

 終演後に夜の南海道をバスは岡山へ。
 『子午線の祀り』では、徳島・勝浦に上陸した義経一行は「南海道を讃岐山脈へ駆け登り、その東端大坂越を八十騎、一騎も落とさず駆け越え、平家を海へ追い落とす」と語る。
 大坂越えの旧道は登りはゆるく、頂から眺める瀬戸内海の美しさに歓声をあげたが、香川県に降りる道は曲がりくねったつづら折りの急カーブが続く道。ふいに現れる対向車に冷や汗をかいた思い出がある。

 その大坂越えを今回は高速道「大坂トンネル」で抜けた。
 志度、三木など伊勢の三郎のセリフに出てくる地名が表示されるので、その度に11年前のドライブと舞台の思い出が頭の中を駆け巡った。『子午線の祀り』の伊勢の三郎、また演じたいなあ !

 高松で食べた讃岐うどんの美味しかったこと、瀬戸内海大橋から坂出を振り返った時に見て驚いたそれまでの四国のイメージとは正反対の工業地帯の風景、与島サービスエリアでしばし眺めた夕日の美しさ。そんな思い出を噛みしめながら岡山へ。

 ほぼ毎日、終演後に次の公演地にバス移動するハードなスケジュールながら、出演者全員元気で東京に帰ってきた。

 明日から4日間の浅草公会堂公演に続いて関東中部北陸を回って最後の東北地方へと向かう。寒さが徐々に厳しくなる。今月末、山形公演の頃にはみぞれも降り出すだろう。
 でも各地の皆さんは熱い期待で公演を待っていてくれる。僕たちも寒さを吹き飛ばす心意気で、熱く心のこもった舞台を創りあげる !

                  輝 ☆彡 09.11.08


秋は・・・、次の『おしん』へ 

 今年はまだおじぎ草の花が咲かない。
 いつもなら8月の末に、ポンポンのような可憐な花を咲かせるのに、つぼみもまだ小さい。

 でも秋は秋。
 空気が澄んで都心越しに多摩の山並みが見えるようになったし、緑道に桜の落葉が増えた。



秋晴れのバルコニーから西方向を眺めると、都心のビル越しに多摩の山並みが見える。今年の夏以降初めて見えた。空気が澄んだ。秋だと実感する。


 食欲の秋。故郷・山形は実りの秋。

 名古屋・御園座『おしん』の楽屋にも届いて楽屋中が歓声をあげて喜んだ夏の尾花沢スイカ、庄内のダダチャ豆(同系統でアンチャ豆や庄内チャ豆なども)に続いて、大粒で甘いブドウなどが続きこれからはリンゴ、ラ・フランス、柿などが続く。
 そればかりでなく、海のめぐみ、山のめぐみも豊富だから、新鮮な食材を生かした料理店も多くなった。だから山形に帰るのが楽しい。

 こんなに美味しいピッツァは今まで食べたことが無かったし、これからもこの店以外では食べられないだろうと思ってしまうピッツァに出会った。
  そう思える出会いって人生にそう多くはない。なんて仕合わせな出会い。カリッとしているのに柔らかく、味わい深い。


俳優佐藤輝 山形市イタリアレストラン ボーノ  

 山形市七日町にあるイタリアレストラン「Buono ブーノ」。スペイン語なら「ブエノ」で、「良い」とか「うまい」とかの意味かも。ホントに「うん、うまい ! 良い味だ !」だ。「ムイ リコ !」


俳優佐藤輝 山形市イタリアレストラン ボーノ


 11月の『おしん 少女編』でご一緒する音無美紀子さんと山形の美味いもの美味しい店を話題にしたのがきっかけで教えてもらって初めて入った店。

 ピッツァだけでなく、歯ごたえがあって程よい柔らかさのスパゲッティも魚料理も肉料理もうまい。コクとうま味を引きだして、口当たり良く飽きのこない味付けだ。

 チーズケーキ、イチジクのケーキ、このデザートも美味い。





 おしんが生れ育った内陸地方(村山地方)から、最上川を下って米問屋に奉公した日本海沿いの庄内地方、酒田へ。僕が通った高校もある。

 酒田の老舗うなぎ割烹「玉勘」。
 映画『おくりびと』ロケ地巡りツアーの団体バスが次々と到着する日和山ふもとの新しい駐車場近く、船場町にある。
 ロケで使われた「小幡」も、5月に訪ねた旧料亭「山王くらぶ」も、日吉町にある旧料亭「相馬屋」も現役料亭「香梅咲(かめざき)」もこの近くにある。

 北前船で栄えた港町酒田の料亭文化を伝える建物が老舗の貫録を見せて、離れかと思える落ち着いた部屋の雰囲気がゆったりとした時の流れを感じさせる空間。

 そこで食べるほわっとやわらかいうな重は、もう何とも言葉に言い表わせない、良い味わい。





 自然に顔がほころびこんな顔になってしまう。

 ガラス窓越しに庭を眺めると、もう山椒の実が黄色く色づき始めている。


 「上々颱風(シャンシャンタイフーン)」のヴォーカル白崎映美さんから携帯に写真メールが届いたのは先月末に名古屋から帰って間もなく。

 " 輝さ〜ん♪こないだ酒田さ帰って「小幡」さ行たら 酒田市出身俳優佐藤輝さんコーナーでぎっだけ〜♪うれしぐで○○くん(小幡管理の責任者?)さ電話しました。よろしくお伝え下さいて言てました〜 "
 白崎さんとのメールの遣り取りは全部庄内弁(白崎さんの酒田弁と僕の余目弁)だ。

 「小幡」は映画『おくりびと』でストーリーの中心になる葬儀社「NKエージェント」として使われた旧割烹。日和山へ上る坂道の途中にある。
 ロケ地巡りの観光客が増えたので、廃業閉鎖されていたのを、撮影時の大道具小道具類を再現セットして公開している。そこを管理しているのは、映画撮影時にロケ地さがしやエキストラ手配で協力した地元酒田のボランティアが運営するNPO法人「酒田ロケーションボックス」。

 僕は5月20日の酒田祭りの夜に、白崎映美さんと彼女行きつけの音楽スナックで飲み、そこで理事長の萩原吉郎さんをはじめとする「酒田ロケーションボックス」の皆さんと合流、白崎さんに紹介されて楽しい時間をご一緒した。
  話題は映画、音楽、演劇、ミュージカルなど多岐にわたり、間に由利栄美さんの美しいピアノパフォーマンスを挟んで、最後は「酒田、庄内が元気になるようみんなで頑張ろう !」と熱く盛り上がった。
 「酒田ロケーションボックス」の皆さんには夢があり、それを実現する工夫と前向きな姿勢とエネルギーが溢れていて、実に気持ち良い出会いだった。

 その「小幡」に「俳優佐藤輝さんコーナー」が出来ていたと、白崎さんは写真付きで知らせてくれたのだった。
  壁に僕のプロフィールや『おしん』のチラシ、舞台写真などが貼ってあるのが写っている。僕は予期せぬことにびっくりして、心から喜んだ。
 

俳優佐藤輝 おしん少女編 酒田市 おくりびとNKエージェント旧割烹小幡


 「小幡」にはロケ地巡りの観光客がひきも切らない。僕も一緒に入った。受付で、祭りの夜にご一緒したスタッフが喜んで迎えてくれた。
 入館して左側、二階に上る階段下の正面の壁、一番目立つ場所にコーナーはあった!
 なんてありがたいこと。こんな良い場所に、こんなに大きく僕のコーナーを作ってくれるなんて。
 創造する苦労と喜びを知っている人たちだからこそ、このように僕を扱ってくれたのだろうと思う。ただただ感謝の気持ちで頭がさがる。
 客がこのコーナーを見て「おしんもあるんだネ」と話しながら二階に上っていった。
 訪問の記念にサインを促されて『おしん』定次のプロフィールにサインし、日にちを書き入れた。
 
 不思議な洋館の階段は急角度。客は手すりを伝って、観葉植物が飾ってある上の社長室にゆっくり上っていく。そこでは客がセットの椅子に掛けたりポーズをとりながら記念写真を撮っている。
 あっ、テーブルの上にはあの白子まで、ちゃんと置いてある !


 おしんの故郷・山形県が、11月〜12月の『おしん 少女編』全国公演を「後援」している。そして山形市と酒田市、県内二カ所で公演される。全国全会場の前売りも始まった。

 名古屋公演も終わり、少女編に向けて全力を投入するこの時期に、山形県庁に吉村美栄子知事を訪ねて「後援」をいただいたお礼と、全国公演にむかう意気込みを語った。


俳優佐藤輝 吉村美枝子山形県知事

 9月7日、吉村知事には県議会開会中の多忙な中で時間を作っていただき、僕が「公演が山形県のPRにもなるよう、良い舞台を作って成功させたい」と意気込みを語ったのに対して、吉村知事からは「ぜひ頑張って、公演を成功させて下さい」との激励をいただきました。
 この訪問の模様は翌日の山形新聞朝刊に写真と記事が掲載されて、思いがけところでも「新聞読んだよ、舞台楽しみにしているから頑張ってネ」と励まされました。

 これから全国公演にかけて体力を維持して新型インフルエンザを遠ざけながら、おしんちゃんたちと一緒に、元気に定次を演じたい !

                  輝 ☆彡 09.09.13



名古屋・御園座 8月特別公演 おしん 青春編 は
お陰様で無事に公演を終了しました。
応援ありがとうございました ! ! 

 
 
2009年8月 舞台出演

名古屋・御園座 8月特別公演

橋田壽賀子 作 石井ふく子 演出
 
おしん 青春編

2009年8月7日(金)〜27日(木) 名古屋・御園座




佐藤 輝が、おしんを親身になって世話する、好評・定次役で出演。
おしんをいかだに乗せて、舟唄を歌いながら最上川を下ります。

【主な出演者】
小林 綾子  山本 陽子 長山 藍子 前田 吟 勝野 洋
佐々木麻緒 諸星すみれ
佐藤 輝 丹羽 貞仁 二木てるみ



酒田まつり それにしても‥‥ 

 時の経つのは早い。

 皆さん、暑くなったり梅雨寒になったりの天候不順な毎日をお変わりなくお過ごしですか? お久しぶりです。

 何ともかとも、先月酒田まつりに行く前に書いてから40日以上もサボってしまったことになる。もちろん、サボるつもりなどまったくなかったのに‥‥。

 その間に書くべきことは山ほどあって、書こう書こうと思いつつも、やるべきこと、片付けなきゃならないことが次々と続いて、結局毎日が、ああ今日も書かずに眠るなあ、お休みなさいと横になる毎日に‥‥。

 書きたくないとか体調が悪くて寝込んだとかご心配をお掛けするようなことはいっさい無く、ただただ書く暇がなかったということで‥‥。

 取り急ぎ写真だけでもと思いたったところです。ので、写真の説明やその間のエピソードなどは、おいおい書き加えますので、お見逃し無く、時々このページを覗きにおいでください。

                  輝 ☆彡 09.7.2 



俳優佐藤輝 撮影 山形県酒田市山王まつり400年
明治39年を最後に途絶えていた高さ20メートルの立て山鉾の再現は、酒田経済復興への願いがこもっている。


俳優佐藤輝 山形県酒田市 山王くらぶ
旧料亭「山王くらぶ」は、酒田の料亭文化を伝える資料館として現在酒田市が管理している。入口や二階の大広間(舞台付きで本当に広い!)にはお祝いの縁起物「傘福」が飾られている。
竹久夢二が逗留した「夢二の間」など、どの部屋も凝った意匠と手の込んだ細工が施されていて、ゆったりと往時の雰囲気に浸った。この建物の現役時代を味わいたかったなあ、と思った。



「おくりびと」の「NKエージェント」に近い日和山へのぼる坂道から祭りの催しが行われている中町方向を振り返ると、道の両側にびっしりと屋台がならび、祭りを楽しみそぞろ歩く人の波が。


俳優佐藤輝 山形県立酒田東高等学校同期 39会
本祭り前日の夜に、家の祭りそっちのけで小料理屋「まる膳」に集まってくれた高校同期の皆さん。
自分は神宿担当の町内会長で多忙の中、欠席のつもりだったのを祭りの行列を終えて顔だけでもと店を覗いたばっかりに、幹事から早速会費を徴収された渡部さん、スミマセン。ありがとうございました。


俳優佐藤輝 山形県酒田市山王まつり400年
5月20日朝。酒田まつり400年の当日は祝福するような快晴!!!


吉村山形県知事も参列した昼の式台の儀に、僕も「酒田北前大使」という名の観光大使の立場で列席した後、長い長い行列をたっぷりと眺め楽しみ、重くなった足で「最上屋旅館」に帰ると、高校同期の当主佐藤幸徳さんが「祭りのごっつぉ」を準備して待っていてくれた。ありがたく嬉しい心遣い。まるで「おしん」の定次が「加賀屋」で祭り振舞いにありついた心地良さ。


      
夜8時を過ぎて、本当に黒山の人がかたずを呑んで見守る中、いよいよ立ち山鉾が動き出した。そして停止。
一瞬静まり返った中で照明が入ると、群衆からウワォゥと声にならない歓声があがった。立ち山鉾が生きている。
昼にばったり出会った「上々颱風(しゃんしゃんたいふーん)」の白崎映美さんと一緒に感激にひたった。



21日も快晴。市役所の向かいにある「鐙屋(あぶみや)」を見学。ここは井原西鶴の「日本永代蔵」に書かれている旧廻船問屋。高校時代には市民会館で見た演劇公演の合評会などで日常的に使った建物。「おしん」の米問屋「加賀屋」もこのような作りの建物だったのだろうと再確認の見学。
道を隔てた、今は市役所の駐車場になっている場所に、実際に「加賀屋」という米問屋があったのだと聞いた。


酒田山王祭 400年 

 新型インフルエンザが国内で感染拡大していますが、お変わりございませんか?

 ずいぶんご無沙汰してしまった、このページです。

 掲示板のトラブルが続いていて、現在は書き込みができない状態だとのこと。何が原因なのか・・・? 早く解決して欲しいですね。

 世の中にはゴールデンウィークがあったけれども、俳優のスケジュールはカレンダーにかかわらず曜日も時間もない仕事。
 その間に、テレビドラマの衣装合わせやRO-DOKUの稽古もあり、 山形へそそくさと数日帰省をしただけで終わった。

 高速道路料金が1000円になって相当込むだろうと覚悟して出発した東北自動車道だったが、順調な時に4時間半の距離を、行きは6時間、帰りは7時間半で到着した。
 10数年前のお盆帰省の時、12時間以上かかったことを思うと、楽なものだった。
あの時は途中で諦めて、郡山で高速を降り、会津喜多方で喜多方ラーメンでエネルギー補給してたどり着いたのだった。

 今日も夜にRO-DOKUの稽古。
 出演者全員が集まって唯川 恵作『手のひらの雪のように』を読む。今までは夫々が読む個人の稽古が続いて、久しぶりに皆さんと一緒の稽古。楽しみだ。

 稽古の後、今夜、故郷山形の酒田市に自動車で向かう予定。
 子供の頃、楽しみにして見た酒田の山王祭を見に行く。45年ぶり(?)に見る祭り。

 昭和54年から「酒田祭り」と呼ぶようになったこの祭り、それ以前は山王神社の「山王祭」と呼ばれていた。1609年(慶長14年)に始まった祭りはその後一度の休みもなく続けられ今年で400年になる。記念すべき今年の祭りだ。

 『おしん』の舞台にも山王祭当日の場面があり、僕が演ずる定次がおしんの新しい奉公先・米問屋「加賀屋」を訪ねおしんと再会を喜び合う。その時定次は、山王祭の豪華さを語り、祭りの酒肴をご馳走になる。そしてその後の夜祭りの場面で、おしんは酔客と連れ立って祭り見物にきた母親を見てしまう・・・・。

 19日の宵祭りから20日の本祭りまでをじっくり味わいたい。
 町中に電線が張られて運行が出来なくなり明治39年を最後に姿を消した高さ20メートルの大立て山鉾が、今年は復活するという。それも楽しみだ。

 高校で同級だった友人の実家「山王クラブ」は明治20年代に建てられた料亭だったが、今は酒田の商人文化と歴史を伝える施設として公開されている。ここも初めて訪ねる予定。
 そして祭りのごっつぉ(ご馳走)。玉子寒天や鱒のあんかけうどなど、庄内の祭りでごく普通の家庭でも出された定番のごっつぉを、明日のお昼にいただく。
 また明日の夜には、僕の酒田祭り帰省を聞きつけた同級生20人近くが集まることにしたと連絡が来た。久しぶりに、故郷の祭りの雰囲気にどっぷりとひたることになる。皆との再会も楽しみだ。こんな嬉しいことはない。
 今年の定次は、酒田祭りから大きなエネルギーをもらって演じられそうだ。

 祭りの後は、青森県黒石市に回ってテレビドラマのロケ。同郷・山形出身の村川透監督と久しぶりにご一緒させていただく。これも楽しみ。

 初夏の東北地方を走って、帰ってきたらRO-DOKUだ。
 これがまた、楽しみだ。

                  輝 09.5.18

 酒田まつり創始400年本年祭 ホームページをご覧下さい
 http://www.sakata-kankou.gr.jp/matsuri/sakatamatsuri/index.html


吉村美栄子山形県知事を訪問  

 僕の故郷・山形県を舞台にした『おしん』が8月に名古屋・御園座で一ヶ月公演、その後11月から12月にかけて『おしん 少女編』が全国公演されることも決まったので、先週山形県の吉村美栄子知事を表敬訪問した。

 高温が続いた山形県内は、開花宣言が出されてから数日で桜が満開。コブシもハクモクレンも水仙も、いっせいに咲き誇っていました。
 吉村知事は今年1月末の選挙で、2期目を目指した現職知事を破り初当選。東北地方で初の女性知事となった方。分きざみの過密スケジュールを縫って時間を割いてくださった。

 僕は先ず、知事選挙当選のお祝いと吉村知事への期待を述べ、『おしん』の山形県内での公演について「故郷を舞台にした作品に自分が出演できるのはとても嬉しいことで、その作品を地元で公演できるのは更に嬉しい。全編が村山弁と庄内弁の芝居。地元公演をぜひとも成功させたい。」と抱負を語りました。
 吉村知事は「ぜひ、成功させてください。『おしん』は海外にも知られている山形を舞台にした作品。私も『おしん知事』として頑張ります。」と答えられました。

俳優佐藤輝 吉村美枝子山形県知事

 また、僕が『チャングムの誓い』でチャングムの育ての親カン・ドックを演じたことを知ると、「私は『チャングムの誓い』の(テレビ)放送を毎回見ました。佐藤さんはあのカン・ドックのような味のある役を演じられるのですね。」と僕の演ずる役柄に納得された様子でした。
 温かな吉村知事に励まされて、今年後半の『おしん』にむけてグッとテンションがあがり、やる気まんまんです。

 吉村知事には、持ち前の庶民感覚で、県民が安心して希望を持って生活していける県政を進めていただきたいと、心から期待しています。

                  輝 ☆彡 09.4.19



 僕が高校時代を過ごした酒田市を中心に、生家がある庄内町の余目(あまるめ)駅など、アカデミー賞受賞映画『おくりびと』の舞台となった庄内地方はいまロケ地ブーム。

 海と船が好きだった僕は放課後に、足もとに見える酒田港から日本海に浮かぶ飛島までを一望できる日和山公園にしばしばのぼった。その坂道の途中左側に典型的な和風建築の割烹料理屋があったが、その手前に隣接して大正モダン風というかレトロな洋館が建っていた。なんとも奇妙な取り合わせで、ミスマッチの不思議な感じが心に残っていた。

 昨年、『おくりびと』を見た。
 冒頭の地吹雪のシーンから、物語を包み込んでいる庄内の自然と風景の美しさを息をつめて見ていたが、主人公小林大悟がNKエージェントの求人広告を見て面接にむかう坂道にかかったとき、僕は「あぁ、日和山にのぼる道だ」とつぶやいた。

 咲き始めたばかりの日和山の桜を楽しみながらすぐ下のNKエージェントに行くと、廃業してから時がたったはずの旧割烹小幡は、見学の観光客が出入りしている。『おくりびと』ブームに乗って営業を再開したかと思えるほどのにぎわいだ。

俳優佐藤輝 山形県酒田市 おくりびとNKエージェント 旧割烹小幡



      

 生家のある地名をとって『館椿(たてつばき)』と名付け、わが家のバルコニーで30年以上も大切に育てているヤブツバキは、写真の木の根元に生えていた実生苗(のっこ)。子供の頃、まだ雪が消え残る庭の奥まった一角に、この深紅の花が咲きだすのを待ち焦がれたものだった。

俳優佐藤輝 山形自動車道 月山湖PA

 山形県の内陸部・村山地方と日本海側・庄内地方を結ぶ「山形道」にある「月山湖パーキングエリア」。駐車場の柵の外は、まだこんなに雪が残っている。そう言えば、後ろに白く見える月山は夏スキーで知られ、4月10日にスキー場がオープンしたばかり。これから山形は、ブナの新緑と山菜、サクランボとリンゴの花の季節だ。


『三平物語』千秋楽、そして桜満開 

 先月29日の明治座公演『三平物語』千秋楽から、あっと言う間の1週間。

 お客さんが入り、反応も評判も良かった公演の打上げは、人形町の居酒屋で楽しく盛り上がった。僕も久しぶりに思いっきり気持ち良く飲んで、二次会のカラオケではふわふわの酩酊状態で歌った。

 その前日28日、故郷の山形県庄内町から原田眞樹町長夫妻と仲間のみなさんが上京して『三平物語』を観劇し、僕を激励してくださった。それに合わせて在京の「東京庄内会」の皆さんも観劇、休憩時間にそろって楽屋を訪ねてくれた。

俳優佐藤輝 明治座三平物語 山形県庄内町 東京庄内会

 事前に原田町長からは、庄内こめこめチームが生産した庄内町自慢の特別栽培米「山形県庄内町産 スペシャルコシヒカリ」5袋と地酒が楽屋見舞として届けられ、僕はそれを池内淳子さん、風間杜夫さん、熊谷真美さんに「故郷の庄内米」と説明しながら直接プレゼント。皆さん、「山形の米じゃなくて、庄内の米なのよね ! 」とひとしきり庄内地方のことを話題にしながら大喜びで受け取ってくれた。こうした広がりが、大いに故郷庄内の宣伝になる。

 当日は、僕が上京直後に知りあい、以来応援していただいている「東京庄内会」の斎藤まり子さんが手作りの「庄内風ぼた餅」をどっさり届けてくれた。故郷のぼた餅は東京の菓子屋で売っている小さく硬いおはぎと違って、大きくぼったりしている。一度に何個も食べてしまう僕の大好物。斎藤さん手作りのこんぶの煮物と一緒に各楽屋に届けると、これも一斉に喜びとお礼の声が返ってきた。

       俳優佐藤輝 明治座三平物語 山形県庄内町長


 皆さんの熱い応援の気持ちが二日間、楽屋を庄内デーにしてくれた。本当にありがたく嬉しい、故郷からの応援団だった。この感謝の気持ちは言葉にならない。

 千秋楽の打上げは花見を兼ねるかと思われたが、開花宣言してからが遅く、昨日今日あたりが満開になった東京の桜。バルコニーから見える桜並木は、家族グループの花見でのんびりにぎわっている。
                  輝 ☆彡 09.4.5


ドンガラ汁パワーでベサメムーチョ 

 日は長くなり、春めいた陽気になってきました。
 近くの中学校の梅の木が、それぞれ紅と白の花を咲かせています。

 先月、故郷庄内にすむ兄が、日本海で獲れた寒ダラを送ってくれたので、我が家の寒鱈ドンガラ汁祭りをしました。「鱈腹」とはうまく言ったもので、冬の寒鱈の腹は丸々と太っています。その一本をさばいて送ってくれたのです。
 ドンガラ汁は庄内地方の故郷の味。鱈のアラのぶつ切りと豆腐を煮込んだ味噌汁で、本当に体が温まる。キモのうまいこと、またふわふわしたダダミ(白子)のとろけるような甘さ。

 3日連続でドンガラ汁を鱈腹食って元気を付け、先週から『三平物語』の稽古に入った。
 今日は「顔寄せ」がありました。明治座の三田社長さんをはじめ演劇製作部のみなさんと全出演者・スタッフが対面して挨拶と手締めをする儀式。林家三平さんの未亡人で『三平物語』の原案者でもある海老名香葉子さんもおいでになって、その後の稽古にも立ち会われた。
 寄席で出直しの前座修業している三平さんを、僕が演じる友人「早野勘八」が訪ねる場面の最後に、早野勘八は楽屋太鼓を手のひらでたたきながらなぜか「ベサメムーチョ」を口ずさむことになった。
 そんな訳で今夜は家で、「ベサメムーチョ」に合わせてひざをたたいている。あの名曲「ベサメムーチョ」をご存知ですか? メキシコで作られて1950年代に一世を風靡した「いっぱいキスして」と言う意味のラテンの名曲です。
 さて、この「早野勘八」なる人物、実在のある人をモデルにしているのだが・・・、それは舞台を見てのお楽しみ。
 明日11日は世の中は休日だけど、僕らは稽古。ダンスホールの場面。ここでは早野勘八がマンボを踊る設定になっている。が、どんな振付になるのか・・・・。きっと汗びっしょり。ここで、ドンガラ汁からもらったパワーで頑張らねば ! !

                  輝 ☆彡 09.2.10


ポニョの妹たちに出会った!? 

 今日は久しぶりのお湿りとなった夜の雨が朝にはすっきりとあがって、春のようなぽかぽか陽気の晴天に。コートを脱いで歩く人も多い。

 快晴が続いた先週、僕が大事に育てているバルコニーの二種類の椿がそろって咲きだした。
 一鉢は故郷山形の生家から31年前に実生の苗を貰ってきた薮椿。土地の名をとって『館椿(たてつばき)』と名付けた。
 雪国の生家では、めったに雪を踏んでまでしてわざわざ人が行かなくなった屋敷の奥まった隅に、人知れず鮮やかな深紅の花を咲かせていた。厳冬の季節に、他に先駆けて生命を燃やしているようなこの椿を僕は子供の頃から大好きだった。故郷にはこの想いに共感する人が多いのだろう、生家がある庄内町が昨年決めた町の木が「情熱と活力を象徴している」ツバキだという。




 もう一鉢の椿は『侘助(わびすけ)』。これは館椿と違って、その名の通りに侘を感じさせる。茶花としてもってこいの楚々とした花。
 寒風を受けながらも、毎朝この二鉢を眺めるのを楽しみにしている。




 先週、もう一つ嬉しいことがあった。あのポニョの妹たちに会えたこと !
 水曜日などは3コマ、正味2時間たっぷりのトレーニング。その後にマッサージプールで体をほぐすのは本当に気持ちが良い。その時間帯に高窓から丁度良い角度で水面に日が差し込む時期があるあるのだが、去年は仕事が続いてその時期に合わなかった。
 それが先週、日が差し込む時間とプールに入る時間が重なった。プールに入る階段は丁度太陽方向にむかっていて、日光は斜め前方から水面を照らしている。ゆっくりゆっくり体を湯に沈めて視線が水面に水平になるころ、逆光の水面から高さ10センチほどに連続して飛び上がる無数のポニョの妹たちに出会った !
 ジェットバスから吹き出る細かな泡が水面に浮き上がると同時に小さくはじけて、それが水滴となって空中に飛びだす。それがまるで、あのポニョの妹たちのように見えたのだ。とってもしあわせな気持ちになって、水面を見続けた。体も心もポカポカになった。

 去年の暮に見たディズニーのアニメーション映画『ウォーリー』も心温まった。ゴミだらけになった地球から人間がみんな宇宙に逃げ出して無人になった地球で、700年もの間、黙々と一人( ? )ゴミを片付け続けるロボットのウォーリーのけなげなこと。
 手をつなぐ相手が見つかり、地球に緑が再生する可能性を知って人間が戻ってくる結末は、この混とんの世の中でも明日に希望を持って生きたいと思わせてくれた。

                     輝 ☆彡 09.1.19





 
山形県・庄内地方・庄内町03年3月〜04年12月 05年2月〜06年6月 06年7月〜07年5月 07年6月〜08年12月 
09年1月〜10年1月 10年4月〜11年3月 11年3月〜6月 11年7月〜12月 11年12月〜12年3月 12年5月〜11月
 12年11月〜13年5月 13年8月〜14年7月 
14年8月〜16年8月 16年10月〜17年11月  17年11月〜現在 
 山形県出身芸能人文化人
 

           
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