サンチョの ラ・マンチャ ガイド
              文・写真 / 佐藤 輝
ミュージカル『ラ・マンチャの男』のサンチョ・パンサ役を484回演じている
俳優・佐藤 輝が案内する『ドン・キホーテ』の舞台。スペイン、ラ・マンチャの旅。

 (1)マドリー Madrid 
 (2)エスキビアス Esquivias 
 (4)カンポ・デ・クリプターナ Campo de Criptana 
 (5)アルマグロ Almagro 
 (6)コンスエグラ Consuegra
(3) エル・トボソ El Toboso
  ドゥルシネア姫の村

 エスキビアスから更に南東へ、途中高速道N-4を経由してオカーニャから国道N-301に入る。
 1994年、初めてラ・マンチャ地方を訪ねた時、延々と地平線まで続く国道に初めは感動し、そのうち余りの平坦さに不安を感じた大平原が7年後の今日も同じ表情で迎えてくれる。

 120kmほど走って、左側に小さな御堂の建つT字路の右角に古い一軒宿『ベンタ(旅籠)・デ・ドン・キホーテ (Venta de Don Quijote)』が建つ。宿屋の目印なのだろうか、サンチョのお腹のように肥った背丈ほどの甕が置いてある。ちなみにサンチョ・パンサのパンサpanzaとはそのものズバリ「ふくらんだ腹、たいこ腹」の意味。類語のpanzudoは「ほてい腹の」となる。

        俳優佐藤輝 撮影 ミュージカル『ラ・マンチャの男』サンチョ・パンサ ベンタ・デ・ドン・キホーテ


  いかにも物語の舞台になりそうな野原の中の一軒家。今は使われていない建物は荒れ果て、壁を飾っていたドン・キホーテの物語のタイル画が剥れ落ちている。


俳優佐藤輝 撮影 ミュージカル『ラ・マンチャの男』サンチョ・パンサ ベンタ・デ・ドン・キホーテ


 手前のT字路を右折する。5Kmでドゥルシネア姫が住むエル・トボソ村へ着く。


俳優佐藤輝 撮影 ミュージカル『ラ・マンチャの男』サンチョ・パンサ ドルシネア姫が住んだエル・トボソ

 沢山の鳩が住み着いているIglesia Parroquial教会前のファン・カルロス1世広場(Pza. Juan Carlos T)。ドゥルシネア姫に跪くキホーテの大きなモニュメントがたっている。広場に面して旅行案内所とセルバンティーノ・センター。この中に世界各国語に翻訳され寄贈された『ドン・キホーテ』を展示しているセルバンテス図書館(Bibilioteca Cervantina )がある。日本からも1928年5月28日の日付入りで27年新潮社出版のセルヴンテス著片山伸訳『ドン・キホーテ』などが寄贈されている。
 
俳優佐藤輝 撮影 ミュージカル『ラ・マンチャの男』サンチョ・パンサ ドン・キホーテとドルシネア姫
 歩いて数分のドン・キホーテ通り(C/Don Quijote 1)にある『ドゥルシネアの館(Museo Casa de Dulcinea del Toboso)』は、旧家サルコ家の娘アナ・サルゴ・デ・モラーレスこそがドゥルシネアのモデルだとして、その家屋敷を『ドゥルシネアの館』にしてしまっているのだ。姫ゆかりの品々(?)が展示され、庭には長さ8mもある50cm角材の葡萄絞り機が据え付けられている。村のまわりは葡萄かオリーブ、玉葱の畑だ。
  葡萄は日本みたいな棚は作らず、低く刈り込んだ株から直接地面に這わせている。乾いているから病気も少ないし、地表を覆わせて少しでも地中の水分の蒸発を防ごうとしているのだ。

   



 「ラ・マンチャ」とは「乾いた土地」と言う意味。納得出来る。

 (1)マドリー Madrid 
 (2)エスキビアス Esquivias 
 (4)カンポ・デ・クリプターナ Campo de Criptana 
 (5)アルマグロ Almagro 
 (6)コンスエグラ Consuegra
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