山形県・庄内平野・庄内町・俳優 佐藤 輝 - 6
        
佐藤 輝の世界 山形県・庄内地方・庄内町 - 6
        
       
当ホームページ内に掲載されている俳優・佐藤 輝の故郷、山形県・庄内地方・庄内町に関係する部分をまとめました。
        
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 山形県・庄内地方・庄内町03年3月〜04年12月 05年2月〜06年6月 06年7月〜07年5月 07年6月〜08年12月 
09年1月〜10年1月 10年4月〜11年3月 11年3月〜6月 11年7月〜12月 11年12月〜12年3月 12年5月〜11月
 12年11月〜13年5月 13年8月〜14年7月 
14年8月〜16年8月 16年10月〜17年11月  17年11月〜現在 
 山形県出身芸能人文化人
 

           
2010年4月〜2011年3 


俳優佐藤輝 撮影 山形県庄内町 平野と鳥海山
山形県庄内町余目から見た庄内平野のシンボル鳥海山(2,236m)。『出羽富士』とも呼ばれる



50年前の雪かきを再体験 ! ! 

 春一番が吹いてコートを脱いでも汗ばむようなポカポカ陽気がやって来たと喜んだのもつかの間で、東京は昨日今日と、霙と氷雨模様の冷たい天気。

 先週、法事で山形に帰省してびっくりした。
 今年の大雪は、雪国山形で永年住んでいる人たちさえも「たまげてすまった ! 」と言う豪雪で、例年なら真冬でも余り積雪を見ない村山地方中央部の天童市あたりでも、僕が正月帰省を終えて東京にもどった1月6日の夜から降り続け、3回も屋根の雪降ろしをしたと言う。

 その降ろした雪が道路際に山積みされ、住宅街では車道が狭められ徐行運転。公園や空き地いたるところに、「かまくら」がいくつも作れそうな雪の山ができていた。
 それでもまだ屋根には30センチ以上も積もっている。気温が上がると雪崩になって落ちる危険があった。それを隣家の知人が降ろしてくれたので、僕も一念発起 ! 50年ぶりの雪かきに汗を流した。


俳優佐藤輝 大雪 豪雪 山形の雪かき


 僕の子供の頃は雪が多く、生家のある日本海沿いの庄内平野の真ん中あたりでも50センチ以上積もった。ブルドーザーなど珍しい時代で、村の間や大きな民家の間には屋根の高さの吹き山ができて道をふさぎ、そこを猛烈な横風の吹雪を受けながら上り下りして小学校に通ったものだった。

 それでも僕は雪遊びが好きで、西風を受けて村の西側にできる大きな吹き山に横から穴を掘って広い雪室をつくったり、スコップで四角に切った雪のブロックを積んで城壁を作りそこを境界にして雪玉合戦をして遊んだ。
 堆肥運びの馬そりが通る道が夕方の冷え込みでカチンカチンに凍って鏡のようにツルッツルになると、そこはスケート場。ゴム長靴にゴムベルトで付ける簡易スケートをはいて、雪が群青に染まる頃まで滑った。

 当時、NHKのラジオドラマ主題歌として大ヒットした「雪の降る街を」を歌いながら、家のこたつを目指して帰った。

                     輝 ☆彡 2011.3.1 


生きるよろこびを感じた『生きるよろこび』 

 10月1日、『生きるよろこび』公演が無事に終わった。 
 ご来場下さった皆さまに心からお礼を申し上げます。

 会場の庄内町・響ホールが超満員かと思えるほどの大きさで、観客の皆さんの熱い熱い感動の拍手が鳴り止まなかった。

 感動した思いを力強く素直にステージに向けてくれた、ありがたく、嬉しい拍手だった。

 感じてくれる、分かってくれる人がいるということは、表現する者にとって一番嬉しく有り難いことです。





 質の高い舞台作品に感動してもらいたいとの、僕の思いはかなえられた。

 自分が構成し出演した作品を自分で説明するのは気恥ずかしい。





 この公演を観たスイーツさんが、10月6日の掲示板に、素晴らしい感想を書いてくれましたので転載させていただきます。

"
 輝さん ! !
 お疲れさまでした !!!
 とてつもなく素晴らしい 、大感激の、本当に素晴らしい舞台でした。
 庄内まで出かけた甲斐がありました。いいえ、一生の思い出、心の宝物をいただきました。有難うございます !!!

 終演後、会場のみんなが、言葉では表現しきれない、掌に汗を握って、目を輝かせて、観客同士「すっごいね ! 」「感動したね ! 」と見つめ合いうなずき合っている光景。素晴らしい光景でした。
 ・・・しばらくあって、周りを見回して、みんなが言った言葉は「もったいないねェ ! 」・・1回っ切りの公演。これだけの観客。「もっともっと大勢の人たちに見てもらいたかったね ! 満員にしたかったね ! 」
  みんなにそう思わせてくれた、本当に上質の、素晴らしい公演でした。

 輝さんが目指した、「朗読」ではない「感動するRO-DO-KU」の意味がくっきりと良うく解りました。観ていて心躍りました。

 出演者は確かに台本を持って朗読しているのに、いつの間にか台本は見えなくなり、登場人物の生き生きした姿と周りの世界の広がりが見えてきて、物語の世界に引き込まれました。
 2時間20分の上演中、客席で眠った観客は一人もいなかったと思います。

 輝さんが選んだ4作品が良いですね。その順番も。
『生きるよろこび』のタイトルで構成した輝さんの、人間に対する熱く深い想い、人間愛が、舞台からストレートに切々と伝わってきました。
 また、その想いを出演者みなさんが夫々の作品とご自分の存在感で丁寧に表現されていて、そのエネルギーが舞台全体に広がっていました。
 普通の芝居以上の稽古をされたというプログラムの説明に納得させられました。

 輝さんの「板垣さんのやせがまん」、夫婦の情、父娘の情、家族の一員としての愛犬との情が細やかに表現されてステキなお父さんでした。
 微笑みながら観ていても、登場人物みんなが愛おしくて泣けて泣けて仕方なかったです。
 道化のように読んだ ( 演じた ? ) 短編がまた、良いクッションになっていて洒落ていましたね。輝さんの愛嬌とペーソスが、素敵に生きていました。

 当日も翌日も、鳥海山、月山がすっきりクッキリと眺められる日本晴れで、米を収穫している庄内平野の広々とした広がりが心をさらに豊かにしてくれました。輝さんの感性を育んだ故郷は本当に美しい土地 !!!
 あんな素晴らしい作品を地球上でただ一ヶ所、あのホールだけで観られた庄内の人たちは何て幸せなのだろう、と思いながら帰って来ました。
 
 私たち観客に素晴らしい思いをさせて下さった輝さんの『生きるよろこび』にあらためてお礼申し上げます。
 ありがとうございました! お疲れさまでした !

 また、次のご案内をお待ちしています !!!!! "





 スイーツさん、ありがとうございました。
 本当に嬉しい感想です。

 スイーツさんと同じような感想が、終演後の乾杯でも、カンパニーの打上げパーティーに参加してくれた酒田の友人や高校同期の仲間からも、ほとばしるような思いを込めて聞かされて、キャスト・スタッフ共々にその成果を喜びあいました。

 久しぶりに、心から納得して飲めた打上げの乾杯だった ! !
 美味しかった ! !
 応援して下さった皆さん、本当にありがとう ! !

 また、思いがけず嬉しかったのは、僕と花柳寿楽さん二人宛に届いた楽屋見舞い。開演準備中に缶ビール1箱がドンと届けられた。
 贈って下さったのは、女優の真矢みきさん。

 東京・三宅坂の国立劇場で毎年開かれている花柳寿楽さんと花柳典幸さん兄弟主宰の日本舞踊『錦会』が今年も4月にあって、その会場で僕は初めて真矢みきさんにお会いした。
 花柳寿楽さんは宝塚歌劇の舞台の振付もしているし所作や日舞の指導をしている、いわば真矢さんの日舞の先生。そんなご縁で話がはずみ、「真矢さんのお父さんは山形県出身だそうですね。どちらのご出身ですか ? 僕は山形県の庄内地方の出身です」と話すと「ええ、父は日本海の方の酒田の・・・」との返事。「じゃあ、酒田市の出身ですか ?」と尋ねると「・・・酒田の近くの余目(あまるめ)というところです」とのお返事。余目は酒田市に隣接する現在の庄内町余目で僕の出身地。もうびっくり。
 真矢さんは人に説明する時に余目では分かってもらえないので、酒田と説明していたらしい。番組の中でもそのように語ったようだ。

 余目は今回の公演会場響ホールがある、まさに僕の生まれ育った地元。更に詳しく尋ねると、「たしか廻館(まわたて)というところで、お祖父ちゃんの家があります」との話。そこまではっきりしていたら間違いなし !
 旧大和村の廻館には僕の親戚もあって何度か遊びに行き、村祭りの出羽人形の舞台には突然紹介されて飛び入りで最上川舟唄を歌ったこともありよく知っている所。真矢さんのお父さんと僕は正真正銘の同郷人と確信した。

 同郷人・真矢みきさんにも大いに励まされた公演。真矢みきさんに感謝 ! !





 僕は1945年に旧余目町に生まれ、小学6年の時に、町内全5小学校が参加した連合学芸会で、木下順二作『彦市ばなし』の天狗の子の役を演じて、同学年の観客から思いがけない大きな拍手をもらった。それが切っ掛けになって、中学の学芸会でも毎年出演する機会に恵まれ、3年の時には『レ・ミゼラブル』の原作『ああ無情』の主役で本来は大男であるジャン・ヴァルジャン役を演じて好評だった。
 その4年間に体験した、仲間と一緒に新しい世界を作っていく楽しさと、観客から拍手を受けた喜びから、高校卒業後の進路を決める時、小柄な自分でも一人の人間として仲間と一緒に生きていける場所と仕事があるんだと示唆を受け、体格のコンプレックスを乗り越えて俳優として生きていく決心をすることができた。
 




 いま、俳優の原点となった故郷で、こうした舞台を作ることができて満足している。

 これからも、一人でも多くの人に生きる喜びを感じてもらいたいと願いながら、「毎日が初日」をモットーにして、作品を作り、演じていく。

                 輝 ☆彡 2010.10.21



天童真理子 プロデュース
リンダブックス 涙がこころを癒す短編小説集『99のなみだ』と
齋藤茂太著『笑って生きればすべてうまくいく』(ぶんか社文庫) による

感動するRO-DO-KU『生きるよろこび』
  【出演】
   佐藤 輝 / 花柳寿楽  / 山本みどり / 二木てるみ


構  成 ■ 佐藤 輝  
演  出 ■ 小林 裕  
美  術 ■ 小林 裕  
照  明 ■ 鵜飼 守
音  響 ■ 齋藤 美佐男 ( TEO )
舞台監督 ■ 粟飯原 和弘

演出助手班 ■ 福田 利彰 / 山岸 麻美子 / 森岡 正二郎
       舞台創造集団・office KOBA
制作助手 ■ 紺野 繁

プロデューサー■ 天童 真理子

特別協力 ■ (株)リンダパブリシャーズ / (株)ぶんか社
協  力 ■ (有)トゥフロント



好評無事に公演を終えました。
ご来場ありがとうございました ! !


■2010年10月 佐藤 輝 舞台出演

 2010年10月1日(金) 19時開演 山形県庄内町・響ホール
 
天童真理子 プロデュース
佐藤 輝 / 構成  小林 裕 / 演出
リンダブックス涙がこころを癒す短編小説集『99のなみだ』と
齋藤茂太著『笑って生きればすべてうまくいく』(ぶんか社文庫) による

感動するRO-DO-KU『生きるよろこび』

人生には喜びがある

人生には悲しみがある

悲しみには涙が
喜びには笑いと涙がある

笑いと涙があふれる、生きるよろこび


斬新な演出 ! ! 朗読のイメージを変える、新しいRO-DO-KUのカタチ ! !
ご期待ください ! !



【出演】
佐藤 輝 / 花柳寿楽  / 山本みどり / 二木てるみ


プロデューサー / 天童真理子

地元の皆さまはもちろん、山形の食と観光を楽しみながらの遠来の皆さまのおいでも
お待ちしております。宿泊や観光資料をご希望される方はお問い合わせください。





いよいよ『生きるよろこび』公演 

 あと1週間の稽古で、10月1日の公演がやってくる。

 稽古場の最後の追い込みに熱が入る。





 普通なら「朗読」だが、あえて「感動するRO-DO-KU」と銘打っているのには訳がある。

 朗読のスタイルは色々あるようだが、一観客として見たとき、演者が一人で静かに朗読するのは、観客にとって時には苦痛なほど緊張を強いられ、揚げ句は催眠状態で眠くなる。演者の自己満足に付き合わされているようで、気分が悪くなることもある。

 「感動するRO-DO-KU」は、積極的に観客に働き掛ける表現で、登場人物の生き生きとした存在を感じてもらえる作品を目指している。
 台本は持つが、動きもあり、照明も効果音も入る。切っ掛けも多いから普通の芝居よりも時間をかけて丁寧な稽古をしている。





 故郷・庄内平野は今年本格デビューする新銘柄米『つや姫』の収穫真っ最中だ。その平野の真ん中にたつ「響ホール」が会場。客席500で、生の演技を観客が楽しむのには最高のホール。舞台機構がしっかりしていて音響がとても良い。

 長年、俳優を仕事としてきた僕を支えているのは、庄内が育んでくれた僕の感性です。『生きるよろこび』の構成も含めて、役作りや演技の発想には多くの庄内のイメージが生きている。

 日々変化しながら輝く美しい庄内の風土とそこに暮らす人たちがつむいできた歴史や民俗、芸能と文化、そして折り折りに直接私に関わってくれた多くの人たち。それら、庄内のすべてが僕の感性を育ててくれ、その感性によって僕はプロの俳優として仕事を続けて来ることができた。

 『生きるよろこび』はそんな僕を育ててくれた故郷庄内の皆さんに、上質な良い舞台を観て感動し元気になってもらいたい !  と、感謝の想いを込めて、私自身が原作を厳選し構成した。




 庄内町の隣り、酒田市や鶴岡市はもちろん、東京からも観に来てくれるそうだ。
 ありがたく、嬉しい !

 響ホールでお待ちしています !

                 輝 ☆彡 2010.9.23


『スペシャリテ紀行 皿の上の物語』奥田シェフ 

 僕が鶴岡市にあるイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」の奥田シェフを訪ね、スペシャリテを味わったテレビ番組、BS日テレ『スペシャリテ紀行 皿の上の物語』が9月2日と9日に放送され、放送直後から多くのご感想をいただきました。地上波放送ではないBS番組ということで、BS受信をしていない家庭も多い中、ご感想をいただいて嬉しかったです。ありがとうございます。

 宣伝文句には「グルメ紀行番組」とはあっても、僕を出演させる番組にそんなチャラチャラした番組はありません。プロデューサー、ディレクターが番組を作る哲学を持っているし、番組で紹介するシェフが哲学を持っている。爽やかに美しい番組でありながら、人生の重みと味わいの深さを感じさせてくれる素敵な番組になっているのには、出演した僕なのに感動した。

 奥田シェフや生産者が「夢」を語るとき、何度も聞こえて来た音楽は、僕がサンチョ・パンサ役を演じたミュージカル『ラ・マンチャの男』で歌われた名曲『見果てぬ夢』。この洒落たあそびごころには、脱帽 !





 8月4日と5日の庄内ロケは晴天と暑さに恵まれ ! 日本海越しの鳥海山も、庄内平野を蛇行しながら横切って日本海に流れる最上川も、素晴らしく美しかった。

 いただいたご感想の幾つかを、ここにも紹介させていただきます。

 「ふるさとの風景と輝さん 爽やかな笑顔にハッピーでした。それにしても本当に美味しそうに食べてましたね。奥田シェフのアル、ケッチャーノがまさか庄内弁だとはね〜 イタリア語だと思ってました。素の輝さんもいいですね。
美味しいものを食べた時のコメントさすが役者さんです。
ふるさとはやっぱり素敵 !
録画しました。
10月にクラス会があります。出席の予定です。地元なので見た人が多いと思いますがDVDにダビングして輝さんの事自慢してきます。
それではまた素敵な笑顔をお待ちしています。」 愛知県の浜田さん

 「昨夜放映されました『皿の上の物語』を夕食も早めにし、主人とソファーに座り、拝見させていただきました。
   *山形・庄内の恵みを生かす絶品のイタリアン(読売新聞の番組欄タイトル)
  鳥海山、出羽三山、最上川に囲まれた旅、自分達もそこにいるような
  そしてお料理の香りを届けていただいたような、ひと時を過ごさせて
  いただきました。
 *豊かな食材がいっぱいの山形、鶴岡市  自然の恵みを感じました。
  (羨ましさも)
 *”アル・ケッチアーノ” のオーナーシェフ 奥田政行さん
  画面からとても良いお人柄がにじみでていました。
 *素材の美味しさを追求、生産者さんとの輪 日本一をめざしているお姿に
  頭が下がりました。
 *シェフが輝様に
   生まれ育った自然の恵み、ふるさとを丸ごと味あわせたい と
   芸術作品のようなお料理の数々お見事でした。
 *輝様の召し上がったあとの満足そうなお顔とコメント(表現)が良かった
  です。
 *輝様の自然体のお姿が画面より伝わってきました。
 *東京への進出はご無理でしょうね。(是非、味わってみたい)
 * ”アル・ケッチアーノ” のオーナーシェフ 奥田政行さん
  益々のご活躍をお祈り申し上げております。
  またお目にかかれます日を楽しみにしております。」 東京、岡本さん

 「輝サンチョ さま
 『スぺシャリテ紀行』観ましたぁ〜!!
「ラ・マンチャの男」のテーマが、なんだか懐かしくて、サンチョが恋しくなってちょっと切なくなってしまいましたよ。
 奥田シェフのような、こんな料理人を観たことがありません。
才能あふれるシェフはたくさん居るけれど、とても純粋に料理が好きで、山形を愛しているのが伝わるシェフでした。
 16皿。 食べてみたいな〜。
 庄内平野の広大なこと!! すばらしい故郷ですね。 テレビでも見応えがある景色でした。
 おつかれさまでした。
 16皿のコース!!」 福岡県、小野さん

 5年ぶりに味わった奥田シェフの料理は、更にシャープに、更に繊細になった上に、順風満帆に見えながらも人知れず体験した苦労が隠し味となって、更に奥行きのある遊びごころたっぷりな素敵な料理になっていた。

  涙がでるほどだった。

                 輝 ☆彡 2010.9.23




■2010年9月 佐藤 輝 出演

佐藤 輝が鶴岡市にあるイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」に
奥田政行シェフを訪ねる

テレビ BS日テレ
『 スペシャリテ 紀行 〜皿の上の物語〜』

【山形・庄内の恵みを生かす地産地消のイタリアン】

放 送9月2日 (木) 夜9:00〜9:54
再放送9月9日 (木) 夜9:00〜9:54


山形県庄内地方の食材を通して庄内から日本を元気にしていく・・
そんな夢を追い続ける奥田政行シェフを、庄内出身の俳優佐藤 輝が鶴岡市にある
イタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」に訪ね、一緒に生産者の話を聞き、
シェフの波乱に満ちた半生をインタビュートークで振り返ります。
庄内地方の美しい自然と風景をバックに旅をして、
奥田シェフのスペシャリテを味わう、感動のグルメ紀行番組。
どうぞお楽しみください。

俳優佐藤輝 鶴岡市由良 イタリアンレストラン、アル・ケッチァーノオーナーシェフ奥田政行さんと
【写真】鶴岡市由良漁港で 奥田政行シェフと佐藤 輝



酒田わんたん麺 

 故郷・食の都庄内地方は、ラーメンも美味いことで知られる。

 僕が観光大使を務める酒田市には、美味い「わんたん麺」があるんだぞと人伝てに聞いて、「そんなに話題になるんめえものを、観光大使が知らないではいられない」と、帰省のついでに店を探した。

 酒田駅から見れば我が母校酒田東高校に近く、市役所から東にまっすぐに延びる松山街道が新井田川(にいだがわ)に架かる中の口橋を渡った少し先に「ワンタンメンの満月」はあった。創業が昭和35年だというから僕の高校時代にあったわけだが、当時の僕たちには外食する習慣がなかった。

 ふぅわり、とろっとろっ〜ッと舌の上で溶けていくワンタンの皮の薄いこと ! ! 心もとないほどに軽い。これが満月のワンタン ! !
 ワンタンにスープがからんでいるのか、スープにワンタンが溶けているのか、どっち? と思いながら食べる楽しさ。
 僕の口にはちょっとショッパイけど、さっぱりしていてうまい !





 スープを啜っていると「あらあ !」と声を掛けられて、どんぶりから目を上げる。湯気の向こうに妙齢な女性が !? 
 湯気を吹き飛ばすと、地元に住んでいる高校の同級生だった。 

 今や満月のワンタンの評判は高く、外の駐車場には県外ナンバーも多いが、地元の人たちに愛されている店だ。

 猛暑続きの一夏がようやく過ぎて、あのショッパイ味が妙に恋しい、この頃だ。

                 輝 ☆彡 2010.9.23


山形・羽黒山、出羽三山神社 

 昨日の夕方、緑したたる近くの緑道を通ると、ジィと、本当に短く一鳴き、蝉の声。
 今年初めての蝉の声を聞いて嬉しくなった。

 今日も雲が流れて、夏の太陽が照りつけはじめている。暑くなりそう !
 梅雨明けもまぢかだ !


 またしてもタイムマシーンで。

 昭和50年5月4日に僕は、故郷山形県の羽黒山山頂にある出羽三山神社本殿で結婚式を挙げた。

 あれからちょうど35年。今年5月4日、出羽三山神社に参拝した。





 初めて羽黒山に登ったのは小学校4年だったかの夏休み。

 8歳年上の兄の自転車の荷台にまたがって生家のある余目(あまるめ、現在は庄内町)から20キロもの砂利道を、宿坊が並ぶ羽黒山の門前町・手向(とうげ)まで走り、そこから苔むした五重塔などを眺めながら杉の巨木が生い茂る石の参道を登り山頂の本殿に参拝した。
  途中、「油こぼし」などの名前がついたきつい登り坂が3カ所あって、坂を登った上には、ほっと一息つける休み茶屋があった。

 日本海から庄内平野を渡ってきた涼風を受けながら、その平野の広がりを眺め、茄子の入った冷たい味噌汁を注文して縁台で食べた握り飯の美味さは格別で、平野から手向への上りにかかる途中で家から持参したトマトを食べた味わいとともに、今も口中によみがえる。

 うっそうと繁る杉並木、歴史ある祠や五重塔、山頂にありながら青黒く水をたたえ平安時代の銅鏡が沢山出土した鏡池、そして厚さが数メートルもある茅葺き屋根の本殿。どれを見ても、人知の及ばない力を持った自然の精霊がそこに宿っているように感じられた。

 以来その魅力にひかれてたびたび一人でも行くようになり、故郷を離れて俳優になってからは、多くの神事に庄内地方の民俗芸能の源流を探したいと足しげく通った。
 その間に、大晦日の深夜に大松明を引いて燃やす「松例祭」を仲間のスタッフたちと記録映画に残し、後にはTBSテレビのドキュメント番組ではコーディネーターを務めたりもした。
 それほどまでに入れ込んで関わりをもった羽黒山の出羽三山神社。結婚式はここで、と決めていた。

 あれから35年の記念日。「ゆく年、くる年」でたびたび放送されている鐘楼と鏡池の間には、まだ雪が消えずに50センチもの厚さで残っている。

 本殿でのご祈祷を頼むと、全く予期せぬことだったが、神主が読み上げる祝詞(のりと)の中に、結婚35年を祝う言葉を丁寧に読み込んでくれていた。その嬉しい心遣いを受けて、まさにこの場所で式を挙げた35年前の感激と喜びを、あらためてつぶさに思い起こした。

 出羽三山、羽黒山、月山、湯殿山は僕の魂のふるさとだ。

                  輝 ☆彡 2010.7.16


タイムマシーンに乗ったつもりで 
 
 今日は10月の舞台公演に向けて、演出、舞台監督、制作との最初の打ち合わせをした。
 僕が構成した、感動するRO-DO-KU『生きるよろこび』。
 このところずうっと、暇そうなのに実際は多忙だったのは沢山の原作を読んで候補を捜し、構成台本を仕上げる作業に時間がかかったからだ。その台本も仕上がったばかり。
 これからはどんどん具体化していく、わくわくした時間が続く。
 
 季節季節の変化に人生を感じて詫び(わび)、寂(さび)の精神世界を作りだした日本人の感覚は、四季の変化がはっきりしている日本の風土だからこそ醸成された感覚で、僕も日々季節の移ろいを楽しみながら俳句などを詠んでいる一人。

 毎年花見は欠かさないが、今年はたまたま5月の連休を山形で過ごすことになった上に、開花が遅れたサクランボもリンゴもサクラも、この時期にちょうど満開になった。
 思いたって山形の南西部、長井市を出発点にした置賜(おきたま)さくら回廊を巡って、みちのくの桜と春を満喫した。

 盆地の西側に南北に連なる朝日連峰はまだまだ真っ白な雪に覆われ、盆地の真ん中を北に向かって流れる最上川は雪解け水をたたえて清く、岸辺の潅木は新緑にきらめいている。

 かつて、根尾村の薄墨桜も吉野千本も高遠城のコヒガンザクラも三春滝桜も、それぞれのパワーに圧倒されたが、置賜さくら回廊の桜たちは今まで宣伝されずにいて広く知られていなかっただけで、先の各地の桜に匹敵するエネルギーを持っていて感激した。

 長井市伊佐沢の久保桜は樹齢1,200年。

 この樹にはまちがいなく桜の精が宿っている。





 最上川堤防の千本桜、草岡の大明神桜、白兎のしだれ桜、白鷹町釜の越桜と巡って、途中、歯ごたえ、のど越し香りが良くて美味い山形名物の手打ち板そばを腹いっぱい食べたらもううっとりと大の字になりたい心地良さ。良い春の一日だった。

                  輝 ☆彡 2010.7.14


銀座1丁目 ヤマガタ サンダンデロ 

 ここ数年の山形県の食文化発信はめざましく、機内誌や雑誌はもとよりテレビ番組でも度々紹介されているので、目にとめられた人も多いハズ。

 特に日本海に面した庄内地方のイタリアン、フレンチの情報が多いのは、鶴岡(旧櫛引町)にあるイタリアンレストラン『アル・ケッチァーノ』のオーナーシェフ奥田政行さんの存在が大きい。
 彼は、海と山に囲まれ川が流れる食の宝庫庄内地方の新鮮な食材を活かして、この地方に伝統のなかったポップで庶民的な洋食の文化を育てて来た。特に地域で細々と伝えられてきた伝統野菜に着目し、生産者と直結して生産を増やし、それらの食材を料理に活かしている。

 銀座や日比谷界隈には日本全国の道府県のアンテナショップ(物産館)があり、地元でも中々買えない珍しい特産品などもあって眺めるだけでも楽しく、僕も通りがかりにひょいと立ち寄ることがある。

 以前、山形県の物産館は虎ノ門にあって、一般の人を惹きつけるには立地が悪く場末の感じがしていたが、去年4月に銀座1丁目に新規オープンした。その名も『おいしい山形プラザ』。
 銀座・中央通りからJR有楽町駅に通じる柳通りの真ん中あたりにある店は、今の季節は深紅の『佐藤錦』がたわわにみのるサクランボの鉢が客を喜ばせてくれる。1階は山形の産物があふれる文字通りの物産館。そして2階には奥田さんがシェフをつとめるレストラン『ヤマガタ サンダンデロ』。ここでは東京のど真ん中にいながらにして『アル・ケッチァーノ』を味わえる。
 ランチは長蛇の列ができ、ディナーも予約を入れるのが大変なほどの評判だと言う。

 盛況のうちに1周年を迎えたとの案内をいただいて、4月30日のランチパーティーにでかけた。1階はオープン当時とは見違えるほど品ぞろえが豊富になり、東京では見られない珍しい旬の山菜も並んでいる。

 奥田シェフが休む暇なく作っても作っても料理はすぐになくなるテーブル。丁度お昼時という客の腹具合もあるが、何と言っても新鮮な食材を活かしたシンプルな料理を舌も腹も待っていたからに違いなかった。
 奥田シェフの味を満喫したあと、『ヤマガタ サンダンデロ』の盛況を祝い、『アル・ケッチァーノ』の発展を喜びあった。


俳優佐藤輝 アル・ケッチァーノ 奥田シェフ


 またまた4月21日から久しぶりです。

 相も変わらず、結構暇なしの日々が続いています。そんな中にも心が安らぐ時があり、その時のことを振り返るだけでもホッとします。思いだしながら少しずつ書いていきます。
 皆さんからは、なんだ、結構暇で遊んでばかりいたんじゃないかと叱られそうでもあるんですが・・・。

                  輝 ☆彡 2010.7.2


あっと驚く・・・ことの 

 去年10月の末、『おしん 少女編』の全国旅公演に出た。

 出発前に、紅葉が散った近くの桜並木を眺めていて気付いたのは、春先最初に花が咲くハクモクレンとコブシの黄葉が、一番最後まで残っていること。毎年眺めていたのに初めて知った。これも人生の喜び。

 その頃は、東京スカイツリーもまだそんなに話題にならず、バルコニーから眺めても、北隣のマンションの屋上の上に、タワー工事の上端に立っているクレーンの先が少し見える程度だった。
 が、12月上旬に旅公演から帰って来ると、工事が進み本体がはっきり見えるほどに成長していた。そして今年に入って、東京タワーを追い越し、完成目標の634メートルの半分の高さをも越えた。

 まだまだ安心できない今年の天気だが、春の温かさにさそわれて玄関側の非常階段から眺めると、ここから見える高層ビルのどれよりも高くなって、もう立派なタワーの姿がすっくと屹立している。





 2年後にはこの倍の高さ、遠くからでも見上げるような高さになって完成する。
 関東一円を見通せるという、展望台からの眺めを楽しみにしている。



 俳優として演技するには、日々のコンディション調整も大事な仕事。
 スケジュールが合えば近くのスポーツクラブに行き、プールでアクアダンスなどの水中トレーニングをしている。

 先日、あっと驚く一言を聞いて、プールの中で大笑いしてしまった。
 プールサイドに立って指導しているインストラクターが、水中でトレーニングをしているおばちゃん(おばあちゃん? )に「左右への腕の振りは水の中でやってください ! 」と声をかけた。
 ほかのみんなは肩まで浸かって水中で腕を動かしているが、その人は腕を水面からあげて空中で左右に振っている。そして、彼女は答えた。
 「だって、水が重いから ! 」
 インストラクターは一瞬言葉につまったが、勇を鼓舞して言った。
 「今は、水の重さを利用して腕の筋肉を強くする運動をしているのです ! ! 」

 ジャン、ジャン !


 山あいの高速道路での帰路。
 サイレンを鳴らさず、赤色灯だけを回転させたパトカーが猛スピードで追い越して行った。その先は県境の長いトンネル。
 県境の先は管轄外になるから、トンネルの中でUターンするのかな? などと思いながらトンネル内の県境を越えると、その先の追い越し車線にパトカーが「左に寄れ」の電光掲示板を点滅させながら停まっている。
 事故があったようにも見えないが、スピードをゆるめて左車線を通過しながら追い越し車線を見ると・・・!
 一瞬、幻を見たような、これは自分の目の錯覚だよな、と自分に言い聞かせてしまうような光景があった。
 パトカーの前にも一台の乗用車が停まっている。それだけならばスピード違反車の取り締まりでも見られる光景。でも取り締まりならパトカーが違反車の前に入って停まる、か? 何かが違う !
 ああっ! パトカーのハイビームヘッドライトに照らされているのは、パトカーに正面を向けて停まっている自動車だ。追い越し車線で2台の自動車が向かい合って停まっている光景。それも、たった今まで反対方向から走っていた車同士が真っ正面に。
 なんとも言い様のない、不思議な、信じられない感覚を味わった。
 話には聞いていた、高速道の逆走車。
 トンネルを出た先の路側帯にはハザードランプを点滅させた車が数台、停まっていた。実際に逆走車と対面して肝を冷やした人たちに違いない。
 すべてを理解した途端に、背筋がゾクゾクッと寒くなった。


 驚いた話はここまでにして、25.5℃の夏日になった今日の気持ち良さ、咲き残った桜がチラチラと散り新緑となった並木道をそぞろ歩いた気持ち良さに乗じて、久しぶりのこのページを書き続けます。


 銀座1丁目に1年前に開店した「ヤマガタサンダンデロ」は山形県の食文化を発信して話題になり、予約を取るのも難しいほどの盛況を見せているが、本当に山形の食文化のレベルは高い。

 食文化で名高いスペイン・バスク地方と同様に、
山形県は地元の海、山、平野から味の良い季節の新鮮食材が豊富にとれる。そして、その食材を生かし、料理を作ることで自分を表現し、客を楽しませることを自分の喜びとする若い料理人(シェフ)が育って活躍している。

 天童市にあるフレンチレストラン『ビストロ パ・マル』も、大好きなそんなシェフの店。
 若い兄弟が力を合わせて店を創っている。
 兄の
結城優輔さんがシェフ。お父さんから受け継いだ料理感覚をいかして、食材だけに頼らない工夫と挑戦によって客の舌を感動させ、人生の喜びを味わわせてくれる。

 行くたびに、他店では中々味わえない個性的なメニューを食べさせてもらえるのも楽しみの一つ。料理に対するシェフの意気込みを感じさせてくれる品々は、ヨーロッパの大地を思わせる野性味と遊び心にあふれていて、手の込んだ本格的な料理に満足する。
 店名にビストロと冠しているだけあって、本格的ではあっても取り澄ました気取りがなく、このソースは何味、これもうまい、あれもうまいと、わいわい言いながら食べているうちにお腹ははち切れるばかりになっている。この満腹感がまたたまらなく良い。

 接客とテーブルのサービスを一手に引き受けているのが、優しい物腰で客の注文にこたえてくれる弟の
村山竜章さん。
 ドイツのワイナリーで修業したワイン通で、気さくで落ち着く店の雰囲気を支えている。


左・結城優輔さん、右・村山竜章さんと、美味しい記念の写真。
右奥に、僕が揮毫した「毎日が初日」の色紙を飾ってくれている。

         天童市老野森3-8-15 023-651-8344 水曜定休
         ビストロ "パ・マル"  http://pas-mal.net/


 先日の村山シェフのお勧め前菜はこれ。国産猪を使った猪のパテ。
 言われなかったら猪の肉とはゼッタイ気が付かない。
 歯ごたえの面白さ、そしてうまい。お母さんの実家がある朝日町産のりんごのピュレが添えてあり、これがまた甘くてさっぱりと、パテの味を引き立てている。





 メインはお勧めの春の味わい、仔羊のブレゼ (クスクス添え) に決めた。
 これがまた柔らかで、トマトソースとの相性がバツグンの一品。
 デザートは、白いソフトなクリームにいちごとフランボワーズソースの赤が鮮やかに映えるクレームダンジュー。
 コーヒーはエスプレッソ。

 ああ、メニューを思い返しているだけで、あの味わいが口中によみがえってくる。

 
美味しい料理を美味しく味わえる幸せを感じる。人生の喜び。


 明日の最高気温は今日より10℃以上も下がる予報とのこと。この驚きの気温変化はまだ続くのか? 
              
     輝 ☆彡 2010.4.21




 
 
山形県・庄内地方・庄内町03年3月〜04年12月 05年2月〜06年6月 06年7月〜07年5月 07年6月〜08年12月 
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14年8月〜16年8月 16年10月〜17年11月  17年11月〜現在 
 山形県出身芸能人文化人
 

           
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