俳優・佐藤 輝 -3

あそびごころの
佐藤 輝の世界 俳優・佐藤 輝 - 3
2003年9月
〜12月
 
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2003年9月〜12月

初雪

 全国的に冷え込んだ昨夜、東京も初雪。

「雪でした あなたの後を 何となく ついて行きたかった
あー あの人は 見知らぬ街の 見知らぬ人・・・」
 昭和40年代のそんな歌を口ずさむ。(『猫』が歌っていた?)

 家々の屋根がうっすら白くなったが、朝日と共にとけてしまった。

                     輝 ☆彡 03.12.27


『望郷椿』

 鉢植えの椿が咲いた。

 寒さが厳しいこの季節に咲く椿が好きで、前に住んで居た所ではベランダも玄関前の廊下も椿の鉢が並んで占拠していた。


           


 文字通り早春に咲きだす椿が、今年は全国で早々と咲きだして話題になっている。
 今朝、最初の蕾が開いたのは、とりわけ大事にしている『舘椿』と名札の付いた椿。この紅色とシンプルな花の形を好んでいる。
 『舘(たて)』は故郷・山形県余目町の生家がある小字。そこの裏庭に代々実生で薮のように生えていた一本を25,6年前に引っこ抜いて鉢に植えたものだ。
 この椿を見ていると、木々に覆われた生家の庭が思い出され、雪の中に咲く椿に春の気配を感じていた少年の頃の自分が見えて来る。雪の匂いさえして来る。

 以前、エッセーを頼まれてそんな事を書いて送ったら、届いたタウン誌に載った題名は付けた筈の題名が変更されて『望郷椿』となっていた ! おっとっと、だった。
 そう言えば昔、『人妻椿』という映画があったっけ・・・。

                   輝 ☆彡 03.12.26


松たか子『松のひとりごと』

 『ラ・マンチャの男』で95年以来舞台を共にして来た松たか子ちゃんの先月発売されたフォトエッセイ集『松のひとりごと』頂いた。

 たか子ちゃんの心の成長が彼女自身の文と写真で綴られている中に『ラ・マンチャの男』の写真なども入っている。その中には僕自身が写った写真も入っているが、ドン・キホーテとサンチョの人形の写真が入っているのに驚き喜んだ。

 この高さ6センチほどの土人形は僕が初めてサンチョを演ずるに当たって役作りのために一人スペインに飛びラ・マンチャ地方を旅した時(1994年)に見付けて、共演者へのお土産としてたか子ちゃんにも初日の記念に差し上げた思い出の人形だ。それを心に残る大切な品の一つとして写真に撮りこの本に載せてくれたことがとても嬉しい。

                     輝 ☆彡 03.12.24

            俳優佐藤輝 ミュージカル『ラ・マンチャの男』サンチョとキホーテ スペインの土人形


『家族日記』立稽古、順調 !

 仕上がった台本を読んで急に増えた台詞に蒼くなったが、何とかその台詞も入って立稽古は順調に進んでいる。
  喜劇にスリラー、ホラー、サスペンスの要素も織り込まれて面白い世界 ! !

                    輝 ☆彡 03.12.23

俳優佐藤輝 『家族日記』


『家族日記』平面から立体へ

   公演初日まで、あと一カ月。
 13日、舞台装置のプランを考えるための粗立ち(半立ち)稽古に入った。
 朝霧の中からふわふわと揺れながら人が現れるように「中島淳彦喜劇ワールド」が徐々に姿を見せてきた ! !
 本読み段階では読みきれなかった登場人物たちが、平面から息をして立ち上がり、実におかしな生きた人間たちとして生活しだした。これが「中島淳彦喜劇ワールド」か ! !
 絶対絶対見逃せない新春喜劇『家族日記』。請うご期待。

                    輝 ☆彡 2003.12.14


中島淳彦・書下し
堤泰之・演出『家族日記』
本格稽古に !


 まだまだ仕上がりが遅れるかと思われた『家族日記』の台本が7日に仕上がり、作者の中島淳彦さんが立ち会って役柄の設定、場面状況の説明、本読みから本格的稽古に入った。
  9日からは演出・堤泰之さんも稽古に参加、劇・場面の構成、役のキャラクター、役の関係など細かな設定をしつつ本読みが進んでいる。
 今迄の中島作品とは違った大人の世界を意識した台本の作りに、出演者は最初戸惑いましたが、稽古を重ねるうちに夫々の役が膨らみ関係が見えて来て、稽古場に不思議なエネルギーが出て来ました。これから稽古に合わせて本の直しもされるので更に役のキャラクターが膨らみ新しいスタイルの「中島淳彦喜劇ワールド」が誕生することでしょう。わくわくドキドキ、
ドキドキわくわくでご期待下さい !
 中島さんも安心して久し振りの帰省が出来そう。良かった、良かった !
                    輝☆彡 2003.12.11


 2004年はTALLY-HOの家族喜劇『家族日記』で新春をお楽しみ下さい ! !
              

オヒョイさんの誕生日


      俳優佐藤輝 藤村俊二さん誕生日 オヒョイ'ズ


 敬愛する「オヒョイさん」の誕生日。そしてオヒョイさんのお店、外苑前のワインバー・オヒョイ'ズの誕生日を楽しむ。
 「オヒョイさん」とは藤村俊二さんのニックネーム。稽古場からヒョイヒョイといなくなる人だから「オヒョイ」と呼ばれたらしい。
 藤村俊二さんとは、別所哲也さん、川上麻衣子さん、松本紀保さんもご一緒した『天国から来たチャンピオン』でボクシングのマネージャー、マックス・レビーン役で共演させて頂いて以来お付き合いさせて頂き、エネルギーを頂いている。ますます強くなる藤村俊二さんのエネルギーにあやかりたいと思う。凄いパワーの人です。

                    輝 ☆彡 2003.12.8



感想 ?

 昨日から『家族日記』の稽古に入った。
 最近の僕の出演作品とは一味も二味もガラリと違った不思議な面白さの大人の人間喜劇。全部が上る予定だった台本はまだ半分しか上っていないので、中旬からは稽古が追いまくられて大変そうだ。久し振りに書下し作品の楽しさと緊張感を同時に感じている。
 お時間がございましたら、こちらにも是非お出で下さい。

 『ろば2003』横須賀芸術劇場公演は音響オペレーターの不慣れで台詞が聞き取りにくかったり、伴奏ギターとの音のバランスが悪かったようで、この点はお客さまに誠に申し訳なく、僕たち出演者・他のスタッフもとても残念で悔しい思いをしたが、作品・演技そのものは概ね好評で、時代背景など分って貰えるかと危惧していた内容が中高生にも十分に伝わり、笑い・涙して感動して貰えたのでほっとしました。気持ち良いカーテンコールと打上げが出来た。反省を生かして、機会があれば再演したいと考えている。

 それにしてもおかしな感想を聞いた。と言うよりは、感想よりも先に「芝居を観るのにも知識が無いと観られないのかね?」から始まって「馬喰(ばくろう)なんて言葉、言われて思い出したけど全く使わ無くなった言葉だね」「進駐軍だって、中学高校生は知らないだろう」と続くのには驚いた。
 スタッフが言うのなら兎も角、芝居を観て他の観客が内容を理解出来ているかどうかを気にしてくれている客がいるとは! ! 相当な吃驚マークもの! !
 他の客はきっと余計なお世話だと言うだろう。何故なら、馬喰も進駐軍もその言葉だけを単独でポンと出されたら、国語のテストで正解になるようには答えられなくても、台詞ではその前に「自分は蔵王で馬の売り買いをしていたんだっす。」とあって「馬喰でした。」と続いているのだから、台詞をきちんと聞いていれば前後の関係からトータルで内容を理解出来るし、日常を支障なく生活できる感覚を持っていればそれをカバーする想像力も持っている。日常生活でも往々にそんな事があるが、どうしても気になる知らない言葉があれば後で辞書を引くなり個々が考えること。それで間に合っている。他の観客に心配される事では無い。
 初めて観た中高生たちがあんなに笑い、嗚咽し、熱い拍手をしてくれたのは、作品の言わんとした思いを十分に感じ
てくれた証拠だ。と、思う。
  芝居はストーリーの解説では無いし、ましてや時代や事件の解説や学問では無い。個々が想像力を働かせて楽しみ、生きている不思議さと喜びを感じる時間と空間なのだ。
  想像力の欠如だけは、他人の力でどうにもならない。素直に楽しめず、想像力の欠如を隠すために、ヒョッとしたらそんな分った風を装う観客がいるのかも知れない。

 ところで、おーいッ! 中島さぁーんッ!
 早く台本を仕上げないと久し振りの帰省が出来なくなっちゃうぞーッ!
 行けなくなったーって泣いても 知らないよーッ! !

                    輝 ☆彡 2003.12.2


『ろば2003』公演無事終る
                        舞台写真へ

   俳優佐藤輝 大藪郁子作 ろば


   俳優佐藤輝 大藪郁子作ろば 一文字号


   
俳優佐藤輝 大藪郁子作ろば さち子プロ製作


 横須賀芸術劇場公演は、大好評、大成功で無事に終了しました。
 関東各地や山形から観に来て下さった皆様に御礼申し上げます。
 スタッフのご協力と、出演者の努力に感謝します。

  事務所スタッフも「佐藤 輝の集大成。良い財産が出来た」と喜んでいます。
 中高生の皆さんには分りにくい部分もあるかと心配していたけど、演劇・表現は物語や言葉の解説では無いし、すべてが分る必要も無く、笑いながら、涙ぐみながら感じて貰えたようで良かった。潤色・演出としての責任を果たせた喜びを感じている。
  22年振りにハードな「語り、動き、歌う」ろばを演じることは、大きな挑戦だった。それを成し遂げて未だ余裕を持っていることに自信が持てて嬉しい。
 
これが再演できたら、なお嬉しい。
                        輝 ☆彡 2003.11.28


公演まで1日 稽古快調 ! !

   俳優佐藤輝 大藪郁子作ろば 一文字号 さち子プロ
11月25日、稽古場での最後の稽古を終えて元気溌剌。明日は劇場の舞台仕込み。良い舞台を!


『ろば2003』にスペシャル・ゲスト登場 ! !

 国際的な活躍をされているジャズ・サックス・プレイヤーの植松孝夫さんが特別ゲストとして出演します。
 植松さんは天才プレイヤーと言われ、ベルリンフィルと共演しカーネギーホール等でも演奏している知る人ぞ知るジャズ・ミュージッシャン。『ろば2003』の世界を植松孝夫さんのサックスが更に大きく膨らませてくれるでしょう。ご期待下さい。


天童真理子制作『ろば2003』横須賀で ! !
大藪郁子・作 / 佐藤 輝・潤色・演出・出

11月27日(木)に行われる横須賀芸術劇場での『ろば2003』公演詳細が発表。
詳細情報はクリックして下さい。

        俳優佐藤輝 ろばチラシ
        
  横須賀市にある緑ケ丘女子中学高等学校の視聴覚鑑賞教室、いわゆる演劇教室の公演ですが、学校側のご好意で出演者・スタッフの関係者に限り鑑賞出来ることになりました(ただし枚数限定です)。一般向け作品として創っていますし、今後、機会があれば一般公演をしたいと言う希望を持っています。しかしひょつとしたらもう2度と見られない舞台かも知れません。出演者・スタッフの顔ぶれも面白く貴重なチャンスです。

  午後1時開演。上演時間は約1時間半。会場のよこすか芸術劇場(京浜急行汐入駅前)は客席数1800、平土間客席を4層バルコニー席がかこむ本格オペラハウス仕様の豪華な劇場です。
               

求む! 情報。

 急にこう冷えると風邪引きが多くなる。出演者も一人、がらがら声になってダウン。その前はスタッフの一人が熱を出していた。本番も近い。気を付けなければ! と自分に言い聞かせる。

 このところ、チョコレートを買い集めている。目当てはチョコレートを包んでいる金紙。包み紙を探すためにせっせとチョコレートを食べている。本当は食べなくても良いのだけど、包み紙を剥がしたら食べたくなる。結構、甘いものも好きなサンチョです。
 新しい発見。以前は大きなチョコ板は金紙で包んであったのに今は銀紙になってしまった。何か理由があるんでしょうね。
 探しているのは裏はピカピカなら銀色でも構わないが、片面がピカピカ金紙のチョコレート包み紙。表面は模様の入った金色で、裏がすべり止め和紙風になった包み紙は知っているんですがね。どなたかピカピカ金紙のチョコレート包み紙を知りませんか? 見付けた方は知らせて下さい。情報メールはここをクリックしてどうぞ。

                    輝 ☆彡 2003.11.11


TALLY-HO (タリー・ホー)第1回プロデュース
中島淳彦作・堤泰之演出『家族日記』に出演

        
 来年1月14日〜20日に特別出演させて頂く、TALLY-HO (タリー・ホー)第1回プロデュース中島淳彦作・堤泰之演出『家族日記』公演の顔寄せと本読みが昨日10月30日にあった。

 公演間際の仕上がりが多い中島さんとしては奇跡的な早さで台本の3分の1が仕上がった。

  コピーしたばかりの湯気の立つ台本をスタッフ・キャストが食い入るように黙読した後、本読み。人間関係の機微を細やかに描いてクスクスわくわくゾクゾクする実に面白い導入部で、深い味わいのある大人の喜劇だ。稽古に入る12月1日までには全部が仕上がる予定。これから先の展開、結末が待たれます。

 一見ふわふわと頼り無げな登場人物ばかりだが、土台がしっかり骨太に出来ている。遊び心がいっぱい、楽しくて見ごたえがある中島淳彦作品。
 中島淳彦作の舞台を何度か拝見していて、人間の捉え方、時代の感じ方などに共感するものが多く、この人が書いた舞台に何とか出たいと思っていた矢先に、TALLY-HOを準備中の箱木宏美さん・福山秀子さんからお誘いを受けて念願が叶った。こんな嬉しいことは無い。

 本読み後の打合せ飲み会は、ホンの面白さと今後の展開への期待でみんなが興奮気味。打上げかと思うほど明るく楽しく盛り上がった。

 これは絶対見逃せない、絶対お勧め公演です ! !
 2004年はTALLY-HOの家族喜劇『家族日記』で新春をお楽しみ下さい ! !

 チケットは日時指定、自由席です。お名前、ご住所、電話番号、ご希望日時、枚数を明記してこのメールからお申し込み下さい。お待ちしています。

                    輝☆彡 2003.10.31

              2004年1月14日〜20日
          下北沢ザ・スズナリ



阪神、王手 ! !

 23日の夜、『てるてる広場』に「今日は、プールでアクアヌードル。長さ150センチ、直径7センチほどのウレタン製ヌードルの浮力を利用する水中運動。これを水中に押さえ込んだり、結んで尻の下に敷いてバランスを取りながら腕の力だけで移動したり、結構運動量は多いし面白い。
 その前後は『ろば2003』のセリフ、段取り、演出を考えていた。歌の練習も。やらなきゃならない事が山ほどある。
 でも時々は日本シリーズを楽しんで気分開放。両チーム、今夜は5分の☆になるかな?こっちも面白い! ! !」と書き込んだら阪神勝ってまさに5分。

 24日は余裕でダイエーが勝って王手を掛ける予定だったのに、阪神が勝ってしまった。それならそれで互いに地元で勝つのだから、ダイエーが26、27と博多で勝って日本一になる。それも面白い。そんな気持ちを「フレー ! フレー ! F D H ! ! ! 次の2試合連勝、きっときっとチャンピオン ! ! 」と書いてダイエー球団社長にファックスを送った。そうしたら、しばらくしてファックス受信の音。見ると社長からの返信だった。何とも言えず楽しい余裕の文面 。

  (さ)んせんで
  (と)らえきれずに
  (う)めきごえ
  (て)んきはかって
  (る)んるんするぞ

 僕の名前を読み込んで、球団社長の余裕の遊び心。
 26日、今夜は、地元に帰ったダイエーがこの余裕の中で気持ち良く伸び伸びとプレーして、きっと勝つのは間違い無い。

                    輝 ☆彡 2003.10.26


王ダイエー快勝 ! ! 2連勝 ! !

 ダイエー球団社長の喜びの顔が目に浮ぶ。
  「再建の鬼」と言われながら、「ただ相手の喜ぶ顔のために命をかけているだけ」と語る著書『商売魂』を読ませて頂いた。日本国中、プロとして仕事をする人たちがこの意識を持ったら経済回復も早いだろうし、気持ち良く生活の出来る社会になるだろうと思うのだが。

 江東区木場にある東京都現代美術館で『ガウディー かたちの探求』を見た。
 『ラ・マンチャの男』のサンチョを演じながら求め続けていた遊び心に啓示を与えてくれたガウディ。バルセロナで触れたガウディの遊び心の世界は刺激的だった。
 今日の展示は、サグラダファミリアやグエル公園、カサ・ミラなどに見られるあの遊び心いっぱいのガウディの造形が、実は幾何学模様を四次元に組み立てた知的な作業の結晶だと言うことを示していた。感性と手先だけで創ったものではないのだ。

  今日も良いものに出会った。良い刺激を貰った。

 『ろば2003』音響の井出比呂之さんから舞台で生かせる生音擬音効果の提案。嬉しいなぁ。またまたイメージが広がる。

                    輝 ☆彡 2003.10.19


ばんぶるびぃ・・・?

 昨日、ばんぶるびぃの初飛翔を観た。

 「ばんぶるびぃ」と聞いて、「バンブルビィ・・?」あるいは「bumblebee・・?」と思った人は相当の昆虫マニア。「広尾のCOREDOでやってる芝居のグループ ?」と思った人は相当の芝居好き。
 昨日観たのは、演劇や映像など広がりのある活動をしていこうと結成されたユニット『ばんぶるびぃ』の第1回公演『午前二時の旅人達』(平松豊司・脚本・演出、13日まで)。

 面白い。広尾、マクドナルドの入口にある階段を2階に上ったBAR、COREDO(コレド)のカウンターをそのまま舞台装置として使った1時間30分の芝居は、台本の緻密さに加えて出演者の個性を生かした演出とそれに応えた存在感ある演技が自然で、弛みを感じさせない充実した演劇空間を見せてくれた。そのまま映像にしたら、あのSF感が更に増すかも知れない。それほど自然で、迫力があった。
 『ろば2003』で共演する水口てつさんと鈴木拓郎さんが出ているので観に行ったのだが、それとは全く離れて楽しんだ。お二人とも『ろば2003』の稽古で見せている表情とはまるで違う面を見せてくれた。演出としてはこんな嬉しい収穫は無い。次の稽古が待ち遠しい。
 柳瀬観(やなせめぐる、と読むそうだ)を演じた高坂千賀さん(荻野佑香さんとダブルキャスト)の初々しい演技が爽やか。高校生で初舞台だそうだけど、若い子に見られ勝ちな押しつけがましい力みが無い。良いなぁ。演出や共演者の力に依るところが大だろう。でもその成果は十分に出ていた。

 作品の仕上がりも然ることながら、ばんぶるびぃ初フライトにかけた想いにも魅かれた。
 「ばんぶるびぃとはまるはな蜂の事です。ぶんぶん飛び回り受粉を手助けする彼等ですが、実は空気力学の法則からすれば彼等は飛べる筈がないのです。その小さな羽根に比べ身体が大き過ぎるからです。でも彼等は飛びます。何故なら彼等は飛べないと言う事を知らないからです。彼等が知っているのは、ただ飛ばないといけないという事。だから飛べるのです。」ユニットばんぶるびぃは彼等のように何も考えず、ただ目標に向かって今日飛び立ちます。と続くパンフレットに載った挨拶文も爽やかだ。
 紹介させて頂いて、自分の励みにもさせて頂く。

                     輝 ☆彡 2003.10.12


福岡ダイエーホークス、優勝おめでとう ! !

 王監督の嬉しいながらも日本シリーズに向けた闘志がみなぎる顔、良いねえ。ぺらぺらと言語明瞭意味不明の人よりずうっと好きだなぁ。
  王監督も好きだが、オーナー代行兼球団社長も好きだ。ダイエー本体の経営悪化の影響を受けて売却話しが浮上しては消える球団、福岡球場とシーホークホテルを支えて優勝に導いた苦労がしのばれる。
  去年5月の『ラ・マンチャの男』博多座公演の折りにホテルと試合を楽しませて頂いたが、隅々まで、人の、客の気持ちを大事にする経営者の目が行き届いているのが感じられた。この人が経営で頑張っているのだから、球団も強くなって欲しいと、それまではほとんど興味の無かったパリーグの試合も気にするようになった。モチロン、応援はダイエーホークス。だから優勝が嬉しい。本当におめでとう ! !
 福岡に行ったら、またあのシーホークホテル(気分壮大、リラックスが出来る! ! もう、最高ッ ! ! ! )に泊って夕陽とダイエーホークスの勝利に沸く熱気を楽しみたい。

 一方、トレーニングで通っている近くの東京YMCA東陽町のプール。「飲める水の中で泳ぎたい」のモットー通りに水質が良く水面とプールサイドがフラットで圧迫感が無く広々として気持ち良い。その上、歴代のインストラクターが熱心に指導してくれるので感謝しながら利用していた。ところが、今迄7年近く、週3回月水金曜とインストラクターが付くプログラムが続いて来たのに、何の理由説明も無く今日から突然、月火木曜に変更された。空いていた日にプログラムを増やしただけなら兎も角、利用者にとっては3回のうちの2回をカットされたことになる。
 週3回のプログラムに参加しているメンバーは、増減はあるもののほとんど同じ顔ぶれ。僕もそうだが月水金に合わせた生活プログラムを持っている筈だ。その人たちに賛否の意見も聞かず、説明も無しでぶった切りの変更。全く利用者を無視したこのやり方には驚いた。
  近くには新しいスポーツジムも出来ている。新しい会員を増やすのが大変なこの時代に、現有の会員が逃げて行きそうなこんな変更を平気でするのはどう言う経営感覚なのだろう? それとも利用者の意見を聞く余裕も無いほどに経営が硬直してしまっているのか、説明を聞いてみたいものだ。

 日本シリーズは阪神とダイエー。関西と九州が元気になって、日本列島を元気にして欲しい。楽しみだ。

                     輝 ☆彡 2003.10.1


おじぎ草

 眠り草かと思っていたら、おじぎ草だと言う。
 月遅れの真夏が続いているが、小学校の夏休みの朝のように、毎日起きると直ぐに植物観察を楽しんでいる。観察と言うのは正しくない。植物観賞だ。おじぎ草の花。
 直径15ミリ程の放射状に丸く開いた淡いピンクの可憐な花。その先っちょには淡い黄色の点。昨日まではつくしん坊の頭みたいに見えた緑の蕾が、朝、開いている。しばし、朝の空気を吸いながら眺める。見とれる。半日の、花の命を惜しみながら。

        俳優佐藤輝 撮影 おじぎ草


 去年、触れるとねむの葉のように閉じる葉の面白さにつられて家人が買って来た一鉢が、9月になって花を咲かせた。こんな優しくデリケートな花を咲かせるとは思ってもみなかったトゲのある植物。花の後に、小さな豆状の種が出来た。
 冬の間に鉢を枯らしてしまったが、種は大事に採ってティッシュに包んでおいた。ところが春になってその種を蒔こうと持ち出して準備をしている間に、突風がティッシュごと14階のベランダから何処かに拉致してしまった。
 どこかでおじぎ草の鉢を売っていないかと、気にしていたが中々見付からない。去年買ったのは、たまに空き地に店を広げる屋台の店で、今年はその店も見かけないと言う。それが、7月の末、滅多に行かない近くのスーパーへ久し振りに行って、偶然見付けたと喜びの報告が来た。
 9月3日、花が咲きだした。

 夕方には葉も閉じて眠りに付く。この暑さで、鉢も乾いている。「可愛い花だったね。明日も奇麗な花を咲かせてね」と声を掛けながら眠っている鉢に水をやる日課だ。

                     輝 ☆彡 2003.9.19


だだちゃ豆

 近くの山形八百屋で新顔のだだちや豆をみつけた。と言っても新種と言う訳ではない。丸いポリパック詰め。このまま電子レンジで3分温めるだけで茹で立てのだだちゃ豆が味わえると言う趣向だ。枝からひっ離して、洗って、茹で具合をみながら茹でる、この手間が掛からないと言う、まことにレトルト時代ピッタリの商品になっている。自分的には、少々土埃にまみれても、大鍋にお湯を沸かしながらこの段取りをする方が茹で上がりへの期待が膨らんで好きなのだが、一方の新し好きも手伝って、物珍しさに買ってみた。発売は、我が故郷、山形・庄内のJA鶴岡。
 ピッタシ3分。電子レンジからだだちゃ豆特有の、あの馥郁たる香りがキッチンに溢れ出た。付属の粗塩を振りかけて混ぜ合わせる。ふぅふぅ吹いて、一さやの2粒を歯で噛み出す。口中に深みのある甘みとこくが広がる。噛むほどに塩味とミックスして更に甘みが増し味に奥行きが出る。
 やっぱ、だだちゃ豆にはビール。入道雲が沸き立つ今年の9月にふさわしい夕暮れとなった。

 それにしても、一ト月前。夏の盛りの帰省の積りが、毎日小雨まじりの肌寒さが続いた。いつ以来なのかも思い出せないほど久し振りの夏の帰省だったのに・・・。
 遠出は諦め、『白き山』でお世話になった時に味わった大石田のそばの美味さが忘れられず、山形そば街道巡りをすることにした。

 先ずは、山形そばを全国区に広めるきっかけとなった村山市大久保のあらきそばへ。
 最上川三難所の一つ、碁点(ごてん)から車で数分のそば屋は、170年前に建った昔の農家そのまま。小さな看板が無かったら見落としてしまう。開け放たれた座敷から葭簀越しに水引草が揺れる外の眺めを楽しみながら食べる太めの手打ちそばの美味さは格別だ。


俳優佐藤輝 山形県村山市 あらきそば


 しこしこと腰があり香り高く丸い甘みがある。さすが、山形そばの人気に火をつけた味だ。板そばの他にあるメニューは、何故か身欠きにしんの味噌煮だけ。これも美味い。
 次の日は天童温泉の近くで、その次の日は高擶街道で、手打ちそばを味わった。山形ではそばに漬物が付いて来る。どの店も地元の人たちが食べに来る店で、家族中心に一生懸命そばに打ち込んでいる。
 帰りのスーパーで枝葉のついただだちゃ豆を見付けた。その夜は、80才になる義父がすり鉢で豆を潰し、僕の大好きなぬた(ずんだ)のぼた餅を作ってくれた。


俳優佐藤輝 山形 ぼたもち


 だだちゃ豆に誘われてベランダでビールを飲みながら、高層ビル越しの東京タワーの明りを眺める。気が付くと、(八ケ岳の麓の上條恒彦さんのお宅に遊びに行った時、「てるちゃんは何にでもテーマソングが付くんだな」と言われた事があったけど・・・今も)歌を口ずさんでいる。

  ゆく夏に 名残る暑さは
  夕焼けを吸って燃え立つ葉鶏頭
  秋風の心細さは コスモス
  何もかも捨てたい恋があったのに
  不安な夢があったのに
  いつかしら 時のどこかへ置き去り
      空色は水色に
      茜は紅に
      やがて来る淋しい季節が恋人なの

 昭和51年に出演、岩手県大迫町でロケをしたNHK銀河テレビ小説、山田太一作『夏の故郷』のテーマソング、荒井由実『晩夏(ひとりの季節)』だった。

                     輝 ☆彡 2003.9.17



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