春だ ! !
3月も末になってようやく本物の春がやってきた。
待ちに待った、春本番 ! !
心はうきうきと弾んで、肩の力がスッと抜けた心地良さ。
今日は20℃を越える予報で、暖房を切っている。暖房を切ると、不思議に家の中が広くなったような気がする。
ヴィヴァルディをかけてこの雰囲気を楽しむことにした。
ベランダでは山吹、山椒、紅葉の若い芽がぐんぐん伸びている。
ベランダから一望できる桜並木の途中にあるハクモクレンの純白の花が春の陽を受けてひときわ輝き、小さなコブシの花も負けじと咲いている。枝垂れ柳の新芽の緑を春風が柔らかく揺らしている。
桜の枝先がふくらんで、並木全体が赤味を帯びたのが遠目にもわかる。
もう10日も前から花見提灯が開花を待っている。
この冬はインフルエンザ、O-157、ノロウィルス、PM2.5など、油断ならないことがこれでもかこれでもかと続いた。そして大被害をもたらした二度の大雪。
ベランダにある早咲きの椿「侘助(わびすけ)」にも結晶がくっきりと見える雪が舞い落ちた。
マンション14階の廊下にブリザードが吹き、角々には小さな吹きだまりができるほどだった。
翌朝はどのフロアーでも住民が出て、ちり取りなどを使って雪かきをした。こんなことは東京で初めての経験。
隣家前の廊下を見て驚いた ! ! 何と、かまくらができている ! !
遊びに来ていたお孫さんのために息子さんが作ってくれたのだという。お孫さんが喜んでかまくらに入って見せてくれた。みんなで、あらためてこの雪の多さを話題にした。
そんな寒さが続いた今年の冬も、山形の生家の庭から東京に来て35年の「舘椿」が深紅の花を咲かせて、終わりを告げた。この椿が咲いたら東京の春と決めている。
実生苗を鉢あげして大事に育ててきたこの椿の花は、故郷の雪解けと春の始まりを毎年思いださせてくれている。深紅の色は僕を元気付けてくれる。
各地からサクラ開花のニュースが届き、下の桜並木ももう咲きだしそうだ。
よぅし、やるぞ ! ! と、気持ち良くヴォイストレーニングに励んだ今日。
うん、なかなか調子が良いぞ !
輝 ☆彡 2014.3.25
■2014年2月 佐藤 輝 出演
NHKラジオ FM放送
ラジオドラマ 青春アドベンチャー『魔術師』(再放送)
2月3日(月)〜2月7日(金) 22:45〜23:00(1-5回)
2月10日(月)〜2月14日(金) 22:45〜23:00(6-10回)
月曜日〜金曜日 22時45分〜23時 全10回放送
原作 : 江戸川乱歩 脚色 : 芳崎洋子 演出 : 江澤俊彦
【主な出演者】
篠井英介(明智小五郎) 橋爪 功(魔術師) 粟田 麗(文代) 春日井静奈(妙子)
冷泉公裕(語り) 佐藤 輝(波越警部)
左端の脚色・芳崎洋子さん、その右奥演出・江澤俊彦さん、語り・冷泉公裕さん、
佐藤 輝、篠井英介さん、マイクをはさんで橋爪 功さん。出演者の皆さんと。
2013年に再放送された江戸川乱歩原作『黄金仮面』に引き続いて、佐藤 輝が名探偵「明智小五郎」の相棒「波越警部」役で出演しています。お楽しみください。
あらすじ
昭和初期。東京の資産家、福田得二郎のもとに脅迫とも犯行予告ともとれるメモが
毎日届けられた。恐怖を感じた福田氏は、警察に捜査を求める。
難事件と直感した警視庁の鬼警部・浪越は、信州で休暇中の明智小五郎に
急いで東京へ帰るよう電話で頼みこんだ。そして明智は帰京したのだが。
名探偵・明智小五郎と恐怖の"魔術師"との手に汗握る攻防が繰り返され、
背筋も凍る事件の発端が明かされる。
果たして、この事件の結末は?
NHKラジオ放送は
インターネットでも聴くことが出来ます。
電波状態に影響されないので、クリアに音の広がりを楽しめます。
NHKネットラジオ
『らじる★らじる』
http://www3.nhk.or.jp/netradio/player/
このページの(FM)を選んでお聞き下さい。
大寒 ! ! 寒鱈(かんだら)のドンガラ汁〜ッ ! !
今日は、寒さが最も厳しくなる時期のうちでも寒さが極まる大寒。
積雪量の多かった子供の頃の故郷・山形庄内地方ではこの時期2週間ほどの「冬休み」があった。
音もなく雪降りしきる夕暮れの村中の通りを、網代笠をかぶって黒いマントを羽織った近くのお寺のお坊さんがお経を唱えながら寒行托鉢して回る鈴の音だけが響いてくる、墨絵のような風景を思いだす。
この時期の喜びは日本海の冬の味覚「寒鱈のドンガラ汁(じる)」。
山形・庄内人が一冬のうちに絶対食べないではいられない、体の芯から温まるアツアツのうま〜い鱈汁。
猛吹雪の道を歩き、真っ白に雪をまとった姿で帰宅した家族みんなが、そろって囲んだ食卓の真ん中でもうもうと湯気をあげた大鍋。寒鱈のドンガラ汁。
鱈の身も腹もエラもダダミ(白子)も骨もぶつ切りにして煮て豆腐とネギを加え、味噌と酒粕で味つけした汁を大きなお椀に盛りつけて仕上げに天然の岩のりを乗せて、ドンガラ汁の完成。
お椀から立ち昇る湯気の中に顔を近づけると岩のりの磯の香りに続いてたっぷりと鱈のダシが利いた味噌汁と酒粕汁のふくよかな香りのミックス!
!
ふうふう吹きながら、熱さを我慢しながら、もう言葉もなくドンガラをせせり、豆腐とダダミを舌の上で転がし、薄茶色の肝の格別なうまさに歓声をあげる。
外の吹雪などすっかり忘れて別世界。心ははずみ、体はぽっかぽっかの仕合わせ気分になる。その夜は家族みんなが機嫌が良かった。
「今年はその寒鱈の漁が最盛期を迎える頃に海が荒れて中々良い鱈が上がらなかった。ようやく漁が再開されたばっかりの寒鱈だ !
」との電話説明付きで、18日に鶴岡市に住んでいる兄から日本海の寒鱈が届いた。
早速、豆腐とネギを買って、夜は「寒鱈のドンガラ汁」。
何て言う、この美味さ。汗を拭きながら、大腕二杯。仕合わせ感に浸った。
そして昨日も、夜は「寒鱈のドンガラ汁」。
トレーニングのアクア・エクササイズを2コマやって腹ぺこだった今日も夜は「寒鱈のドンガラ汁」。
食べたことがない人にはぜひとも勧めたい、冬の庄内の味「寒鱈のドンガラ汁」。この仕合わせを分けてあげたい。
輝 ☆彡 2014.1.20
小田島雄志・翻訳戯曲賞『まくべっと』授賞式
1月14日に東池袋のあうるすぽっとで2013年の第6回「小田島雄志・翻訳戯曲賞」の授賞式と祝賀会があり、僕も出席した。
今回は『まくべっと』を翻訳・演出した中村まり子さんと『最後の精神分析 ―フロイトvsルイス― 』を翻訳・演出した谷賢一さんが受賞しました。
僕は中村まり子さんと知り合って丁度40年の去年10月にその『まくべっと』公演に参加した者として、芝居創りの大変さを知る者の一人として、まり子さんの受賞を心から喜び関係者と共に大きな拍手を送って祝福しました。
賞状を読みあげる小田島雄志さんと中村まり子さん。右端が同時受賞の谷賢一さん。
祝賀会が開かれたロビーには『まくべっと』のポスターが飾られて、お祝いに駆けつけた関係者が中村まり子さんを囲んで記念写真。
中村まり子さんと小田島雄志さん。
会場近くの居酒屋で新年会をかねて祝賀会。ビールの乾杯から始まって日本酒に。みんながリクエストした山口の「獺祭」は僕も大好きな酒。気分良く大いに盛り上がって、すっかり赤い顔。
いつまでもいつまでも祝っていたいみんなの思いが一つになって盛り上がった祝賀会。またの再結集を誓い合って家路に。
輝 ☆彡 2014.1.18
正月帰省は冬味覚
2013年の暮は12月28日夜に東京を発って、山形へ車で帰省。
荷物を運ぶのが楽だし、親戚回りとか買い物とか見舞いとか温泉巡りとか、帰省先での移動には車が欠かせないから、この10年ほどはほとんど車で帰っている。
30日は生家のある庄内地方に。
3年間通った高校がある酒田市の港には、「海鮮市場」や「みなと市場」など、地元産の魚介や野菜を売っている店が並んでいる。獲れたての新鮮な食材が、安い
! !
安心して美味しく腹いっぱい食べられる食材の山に嬉しくなって、ついつい買いすぎる。
買い物が一段落したら「みなと市場」の中の食堂で腹ごしらえ。
このまぐろの「みんな丼」、中トロ、ネギトロ、赤身がたっぷり乗っていて、んもぅ ! 言葉が出ないです。
その夜、酒田で仕入れた庄内砂丘から掘り出した新春の目覚めの味覚「きもと(あさつき)」とヤリイカの酢みそ和え、ヒラメのえんがわ、ゆでた毛ガニをむさぼり食う
!
シャキシャキした「きもと」とサッと茹でたヤリイカのしこしこ感。脂とうま味が口の中にじわぁっとひろがるえんがわのこりこり感。口いっぱいにもごもごと甘みがたまる毛ガニ
! うまいことっ ! かぎりなし !
大晦日には2013年のもろもろの汚れを吹き払うにしては大き過ぎる厄払いに遭遇し、迎える新年に対する期待を更に大きくふくらませた。
この1年を無事に過ごせたことと『まくべっと』という作品に出会えた幸運に感謝しながら、酒田で仕入れた紅ズワイガニを肴に、これも酒田から届いた銘酒「初孫」の2本セット「南天魔斬」のうち、年を締めくくるのにはぴったりのその名も大吟醸「南天」をちびりちびりと味わいつつ旧年に別れを告げることができた。
日本海で獲れた紅ズワイガニの深いうま味と「南天魔斬」の芳醇なコクが合わさったしあわせ気分を体全体で感じながら夢見心地で新年を迎えた。
みなさんにとっても、希望あふれる2014年でありますように ! !
「大き過ぎる厄払い」の中味についてはもろもろが決着した時点で報告するつもりです。
輝 ☆彡 2014.1.18
冬のおじぎ草 ! ?
いつもなら8月から9月にかけて花を咲かせて10月に入ると羽抜け鳥のように潮垂れて葉も根も枯らしてしまうおじぎ草が、暮れも暮れの今、毎日花を咲かせている。
7月初めにホームセンターのグリーンコーナーでポット植えの苗を買ってきてベランダで育てているのだが、同じような苗から育てているのに今年は何故か花が中々咲いてくれなかった。
それが、もう諦めていた10月中頃になってある朝ポツンと一つだけ花を咲かせた。が、その続きは咲かないままなのに、いつもならもうすっかり枯れている時期になっても葉は枯れずに、律義に朝夕は葉を開いたり閉じたりしていた。蕾もたくさん付いている。それを見かねて鉢をリビングに入れてやったら、3日ほどしたら朝「爺さんの無精ヒゲ」のような小さく薄く弱々しい、もう枯れてしまっているようなうらなり花を咲かせていた。
これじゃぁダメだと気にも留めずにいた昼過ぎに見ると、花が !、花が ! !、一人前に咲いている ! !
以来、毎日、一つずつちょっと咲き始めては夕方に立派な花に成長してくれている。
丁寧なおもてなしで評判の山形・上山市にある「日本の宿 古窯(こよう)」の女将さんが『まくべっと』の好評を祝って地元産のラ・フランスを贈ってくださった。それもずしりと立派な5L。
山形のラ・フランスは本当に上品な甘さととろりとした滑らかな歯ごたえが、心を浮き浮きさせてくれる。
指定されている食べごろを我慢して待った日、もう上品を忘れて・・・ううん! おいしい !
いつも応援していただきましてありがとうございます。
『まくべっと』のご褒美は更に。
今年30周年の東京ディズニーランド。クリスマス・イブ・イブ。
今日もアトラクションをのべ11回満喫 ! ! 先ずは「ビッグ・サンダー・マウンテン」、これどきどき。
「くまのプーさんのハニーハント」は絵本の世界に飛び込んで冒険ファンタジー。
アトラクション間の移動中に、予定外のパレードにも遭遇。
すぐに乗れるし、心は汚れを知らない無垢の時代にもどれる「イッツ・ア・スモールワールド」も必須。
閉園時間を過ぎてもまだまだ写真を撮っている。
世の中、こんなになってしまうのかと嘆くことが矢張り多かった2013年。
その思いも込めて参加した『まくべっと』。
この素晴らしい作品と出会えたことが、来年だってこの思いを更に強く持って頑張るぞと思いを強く持たせてくれた。
ありがとう ! ! 『まくべっと』! !
今年何かと支えてくださった皆さん !
ありがとうございました。
2014年もどうぞお元気で、良き年でありますように ! ! !
輝 ☆彡 2013.12.28
小田島雄志・翻訳戯曲賞に決定 ! !
昨日11日、第6回小田島雄志・翻訳戯曲賞に中村まり子さん(女優、演出家、翻訳家、劇作家)と谷賢一さん(作家、演出家、翻訳家)に決まったと
同賞実行委員会事務局から発表されました
! !
中村まり子さんの対象翻訳作品は
『まくべっと』。中村まり子さん主宰のパニック・シアターが10月30日から11月4日まで下北沢・「劇」小劇場で、僕も出演して公演した作品。
中村まり子さん、おめでとう ! !
輝 ☆彡 2013.12.12
師走、「大雪」から「冬至」へ
師走はいつも急にやってくる。
気が付いたら今年も残り何日と、何となくそわそわと落ち着かなくなる。
『まくべっと』は出演者全員が極限までエネルギーを傾注して活力にあふれた舞台を創って、出演している僕ですら客席から観たいと思ったほどのまれに見る素晴らしい作品になった。
俳優は究極の「頭脳的肉体労働者」だ。千秋楽までは気力と精神力で体力を維持して舞台を創ったが、公演が終わったとたんに多くの出演者が体調を崩したらしい。
僕は千秋楽翌日にはハードなトレーニングを2コマこなして「ほら、余裕の体力だ。俺もまだまだ捨てたもんじゃない」と悦に入ったのも束の間、その夜からせき込んでしまい名誉ある(?)体調不良者の仲間に入ってしまった。そしてぐずぐずと悔しい思いをしながら2週間も過ごす羽目に。
その間に山形へ帰省した。
もう初雪が降って冷え込みも厳しくなったと聞いて、自動車のタイヤを冬用のスタッドレスに交換しながら、地元産の安全新鮮な野菜や米沢牛をたらふく食べるために。これで元気を回復する
! !
帰省先の近くの公園は桜の紅葉が散り敷いている。春の花見、秋の芋煮会の会場。
その後は体調が回復してトレーニングを再開し、上野の東天紅で開かれた故郷山形県の庄内町出身者で作っている「東京庄内会」にも出席できた。
司会者に突然ステージへ呼び上げられて挨拶を所望された。会場には『まくべっと』を観てくれた皆さんもいて、その人たちと目が合ってしまい、その眼差しに引っ張られるように、本当は咽喉が本調子でないからと歌うのを断っていた「最上川舟唄」を歌った。追分け部分の高音が出るか気が気でなかったが、嬉しいことに客席から「張りがある声でさすがプロだ。今日一番良い歌だ
! 」との声も聞こえて、思ったより好調子で歌うことができたようでホッとした。
この人たちからは、感嘆の思いをこめた『まくべっと』の感想を聞くことができて、あらためて素晴らしい作品に出演できた喜びを噛みしめた。
11月27日。三の酉。銀座線田原町で降りて千束の鷲神社へ。
例年より冷え込まず、並ぶ時間も40分たらずで短く、拝殿前での体力勝負のような押し合いへし合いの混雑もなく、心おだやかに参拝ができた。
帰り道は少し遠回りして浅草・浅草寺に参拝。
もうほとんど人通りが途絶えたかと思える無人の境内だったのに、写真を撮りながら周りを見ると、同じポジションで写真を撮っている人たちがいっぱい。
店が閉まっているとこんなに長く感じるんだと思いながら仲見世通りを抜けて雷門へ。
ついこの間、10年ぶりに作り替えられた大提灯が色鮮やか。
スカイツリーも間近に見えるここにはまだ多くの人たちがいて、記念写真を撮っている。
羽子板市や初詣で人があふれる日が近い。
たゆたうギターの響きとやわらかな歌声(カンテ)に心ゆさぶられ震えた。
12月2日夜。国際的なギターリスト、ソンコ・マージュさんの演奏を聴いた。
ジュディ・オングさんの版画の先生として知られる版画家井上勝江さんの個展が銀座5丁目にある養清堂画廊の「開廊60周年記念企画」として開かれて、そのオープニングパーティーでソンコ・マージュさんが井上勝江さんの版画をバックにして演奏された。
マイクなしの、生のギターと歌声、語りが心に染み入った。
フォルクローレの巨匠アタウアルパ・ユパンキが「心の川」の意味を持つ「ソン・コマージュ」という名前を贈った、世界で唯一人の弟子。
ユパンキが作った「夜の祈り」「エル・アラサン」「トゥクマンの月」、高木恭造の津軽弁の詩「陽コあだネ村」「結婚の晩」など・・・ギターの響きと音の流れの広がりが大地と人生の不条理を感じさせてくれて、その名前の意味といきさつを素直に納得させてくれる。
揺れながら響く心地良い音の流れが、ソン・コマージュさんの哲学の世界だ。
展示されている版画の大作「もののあわれ」とギターの響きが、丁度40年前に山形県長井市在住の版画家菊地隆知さんを通じて知り合って以来の井上さんの「花」をテーマにした大河のような数々の作品の思い出に重なって僕の心の中に壮大な宇宙を見せてくれた。
水墨画家王子江さん、ソンコ・マージュさん、井上勝江さんと大作「もののあわれ」の前で。
画廊中央にある柱に背をもたせて床に座り込んで聴いた素晴らしいひとときだった。
人生と壮大な世界を感じさせて、生きる勇気と未来への希望を持たせてくれる。
そんな作品を次も ! ! と、心に決めた。
輝 ☆彡 2013.12.08
『まくべっと』千秋楽 ! !
11月4日、毎回売切れの満席大入り、大好評のうちに無事千秋楽を終えました。
ご観劇くださった皆さま、ありがとうございました。
また、温かなお心遣いを頂戴しありがとうございました。御礼申し上 げます。
皆さまのご声援に支えられて無事に全ステージを終えることができました。
グラミス男爵、負傷兵、陳情者3、宴客1の4役を、この作品の中の登場人物として演じ分けることは楽しいことだった。
以下8枚の写真はGP(通し舞台稽古)の舞台写真です。撮影は伊勢和人さん。
シーン 1 「グラミス、カンドール、怒る」 マクベット(田中孝宗)とグラミス(佐藤 輝)
それぞれの役柄をしっかりと演じることがこの作品を支えること。
演出の中村まり子さんの要望で「負傷兵」「陳情者3」のセリフを、僕が山形弁に直した。
シーン 4 「おかしな負傷兵」 中央が負傷兵(佐藤 輝)
二つの役柄を考えて「負傷兵」は山形県でも西の日本海に面した地方の庄内弁にして、「陳情者3」は山形市を中心にした村山地方の村山弁にした。
シーン 4 「おかしな負傷兵」 負傷兵の話す庄内弁に耳をそばだてる、左から兵士3(吉岡大樹)、兵士2(長谷川勇司)、兵士1(新谷太)、ダンカン王(田村連)、侍女(丸山彩智恵)、実は魔女のダンカン夫人(中村まり子)、実は魔女の侍女(香坂千晶)
シーン 4 「おかしな負傷兵」 負傷兵(佐藤 輝)とダンカン王(田村連)
シーン 4 「おかしな負傷兵」 負傷兵(佐藤 輝)とダンカン夫人(中村まり子)、兵士たち
庄内弁は北前船によって運ばれた京上方や瀬戸内の言語の影響が強い。
シーン 10 「ダンカン暗殺」 村山弁で訴える陳情者(佐藤 輝)とダンカン王(田村連)
村山弁は北関東から福島弁宮城弁と続いている言語の流れ。
シーン 13 「大詰め」 国王となったマクベット(田中孝宗)と宴客1(佐藤 輝)
シーン 13 「大詰め」 バーナムの森に続く人々 (以上8枚の写真は撮影・伊勢和人)
感激のご感想もたくさんいただきました。
その一つ、DEKOさんからのご感想メールを紹介させていただきます。
★
2013.11.1 DEKO
昨日(10月31日)は楽しかったです。
笑いながら、結構重苦しかったり、怖かったりしました。
声、眼、そして体全体を使っての役者さんの表現力というのはすごいものだと改めて感じました。
あっという間に目の前のスペースが異空間になってしまいます。
非日常の世界なのに、とても身近な、身につまされる物語に。
イヨネスコにしては(と言っていいのかどうかわかりませんが)合理的展開でしたね。
マクベス夫人を抜いたというのはすごいけど、騙される成り行きやその後の展開も、原作より納得できるような気がしました。
蝶々追いはイヨネスコ?それとも今回の演出?
違和感はありましたが、妙にワルツに合ってたり、雰囲気をだしてたり。
文楽での「テンペスト」も見たことがありますが、
シェイクスピアは、いじりがいのある劇作家ですね。
かぶりつきの真ん中特等席を取っていただき感謝申し上げます。
サンチョがまた見たいなぁ。
まだ公演の最中でお忙しいのは承知していますが、昨夜の興奮のまま書いてしまいました。
DEKO
★
嬉しいご感想、ありがとうございました ! !
ステキに洒落た白小菊の花束をくださったのは『チャングムの誓い』カンドック役で舞台出演の時に韓国の宮廷料理やマッコリ、文化などについて助言をいただいた佐野良一さん。佐野さんは韓国料理や歴史に関する本を多数書いているイベントプロデューサー。
ご自分のツイッターに舞台の感想を書いてくださっている。
https://twitter.com/sano_ryoichi
直木賞作家の松井今朝子さんもご自身のホームページ「今朝子の晩ごはん」に嬉しい感想を書いてくださった。
「今朝子の晩ごはん」11月2日の「海老チリ、八宝菜、腸詰め、ピータンほか」の項。
http://kesako.jp/
この作品だからとか、この出演者だからとか、色々の思いをもってお客さんは劇場に来てくださった。
ダンサー金森勢さんとはひょっとして36年ぶりの再会 !?
まり子さんと一緒に、金森さんと嬉しい再会だった。
中村まり子さんとの出会いは1973年の井上ひさし作『天保十二年のシェイクスピア』(西武劇場)。テレビ『ピンポンパン』の体操のお兄さんで知られた金森勢さんもその時に一緒だった。
そして1977年に僕が主宰する
劇団動物園のミュージカル『紅葉乱舞車達引もみじまうくるまのたてひき』公演にまり子さんと金森さんに客演してもらった。
それ以来になる、金森さんとの再会 ! !
時を経て思う、人との繋がりのありがたさ。
元気でいるからこそ再会して喜びあえる嬉しさ。
この『まくべっと』に参加して、俳優として最も大切な日々新たな自分を発見すること、それを演技に生かして表現を深めること、このことをしっかりと求める気力と体力が自分の中に十分にあることを確認することができたのは大きな収穫
! !
次に向かってあらためて自信を持つことができた。
まだまだ現役俳優として頑張ります。
皆さんからの励ましが一番のビタミン剤です。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
輝 ☆彡 2013.11.11