俳優・佐藤 輝 -4

あそびごころの
佐藤 輝の世界 俳優・佐藤 輝 - 4
2004年1月〜3
 
 
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2004年1月〜3

春爛漫

 今日は暑くなりそう。
 近くの桜並木にはたこ焼き、おでんの屋台も出て場所取りのシートが沢山敷いてある。桜は一気に開いて明日が見頃かな? 提灯の明りで眺める夜桜も良いな。そうすると今夜、明晩は日本酒だね。

 大相撲春場所は熱くなって久し振りの面白さ。
 昨日の朝赤龍、千代大海戦は殴り合い一歩手前の激しい突っ張り合いだったけど、朝赤龍は髷を掴まれていなかった? 誰が優勝するか、明日の千秋楽が楽しみ。
 相撲は同郷出身者を応援したくなるスポーツ。学生横綱から幕下15枚目格付け出しデビューした近大出身の学生横綱・上林義之(八角部屋)ははたかれて★スタートだったそうだが、柏鵬時代を築いた名横綱・柏戸(鏡山親方)を生んだ我が故郷・山形県庄内地方(日本海に面した平野部)出身の久々の期待の力士。それ以後の成績が報じられないのがもどかしい。この加茂水産高校出身の新弟子が活躍すれば、藤沢周平の『たそがれ清兵衛』人気で盛り上がっている地元鶴岡では更に意気が上るだろう。これからの活躍が大いに楽しみだ。

 高校野球も故郷チームへの応援で熱くなる。山形のチームは初戦敗退が多くて、テレビ観戦の後はガックリと疲れることが多いがそれでも応援する。明日の第一試合は東海大山形が地元・報徳学園と対決する。明日は朝から熱くなりそうだ。
 パ・リーグはさっき西武と福岡で開幕戦が始まった。てるてる広場にもメールを下さる「水曜日の女」さんは地方にも応援に行く大のロッテファン。“18日には「千葉ロッテマリーンズ激励会」、23日には「小林雅英投手の激励会」へ参加しました。今年はパリーグはプレーオフ制度になり、優勝の可能性もあります。もちろん、シーズン予約席を購入し、マイシート「○○やん」の文字がいすに貼られます”と自信と希望に溢れたメールが届いた。良いね。選手も応援団も熱く燃えろ !

 春は元気が出る。心機一転、来週から新しいスポーツクラブでトレーニングをすることにした。
                    輝 ☆彡 04.3.27


春、魚座

 昨日は近くの中学校の卒業式。級友との別れを惜しむグループを遠巻きにした親達がカメラで追っている。晴れて良かったな。俺の44年前の卒業式は・・入試に失敗して心が結構重かったから。

 一昨日の有楽町も袴姿の女子大生が多かった。がその足許を見ると変。本来は草履履きだろうに「ハイカラさん」の頃からか編み上げのブーツを見かけるようになった。それが発展して今ではブーツなら何でもありの時代になっている。中には雪道を何度も歩いたような丈夫でゴツゴツしたのまで混じっている。余りにも晴れ着の着物姿とそぐわない、・・・ン? だ。
 そんな通りを抜けて有楽町の居酒屋へ。故郷に帰ってレストランを始めると言う俳優の送別飲み会に出席。『ラ・マンチャの男』の護衛兵役で95年から出演(途中出なかった事もあったかも)していた劇団テアトル・エコー所属の小池浩司さん。稽古では松本幸四郎さんのドン・キホーテとセルバンテスの代役をしてくれたのでサンチョの僕もとてもお世話になった。
 『ラ・マンチャの男』の出演者が一昨年8月の幸四郎さん主演1000回公演から1年半経って久々の再会。明日旅公演に出発する人や、映画の撮影が丁度休みになった人、稽古が終って色んな稽古場からバラバラに駆け付ける人、よんどころ無い都合がありながら挨拶をしに来た人など夫々の事情に合わせて、松たか子チャン、松本紀保チャンも含めた30人ほどが集まった。同じ舞台に情熱を傾けた仲間たち、直ぐに同期会のような懐かしさと楽しさで盛り上がった。小池さんの劇団仲間、杉村理加さんも飛び入り参加した中で、小池さんが「こんなに集まってくれて・・・」と感激しながら挨拶をした。

                 ☆彡

 話は一気に飛んで・・・。タレント・山田花子、藤井隆、つぶやきシロー、そして女優・藤谷美和子と続くと何か心配になって来る。
 水泳の鈴木大地、イギリスのエドワード王子、松田聖子、熊谷真美、徳光和夫アナウンサー、女優・大空眞弓と続くこちらのグループはまぁ安心。だけどこの2つのグループには切っても切れない共通点があるし佐藤輝の名前もそこに入る。
 そのキーワードは・・・3月10日。誕生日。
 たまたま検索に引っ掛かった「今日は何の日」風「3月10日が誕生日の○○人」のホームページにあった。「誕生花は あんず、花言葉は“乙女のはにかみ”」などと解説がついている。そして「東京大空襲記念日」。
 1945年(昭和20年)のこの日。東京の墨田・江東の下町一帯がアメリカ軍のB29による焼夷弾無差別絨緞爆撃で10万人が死んだ日に僕は大雪の山形で生れた。
 
 11日の夕方、電話が鳴った。見ると兄貴夫婦の携帯電話の表示。1分ほど前に実家に電話したが誰も出なかったので受話器を置いたばかりだった。
 「今、病室から。待ってね。自分で電話したいと言うので・・」と兄嫁の声。
 去年11月27日に横須賀芸術劇場で公演した『ろば2003』を観に来る予定でいた実家の73歳の長兄から「体調を崩したので残念ながら中止します」とファックスが届いたのは公演3,4日ほど前だった。
 それから1週間ほどして、公演無事終了の報告をする積りで掛けた電話で、兄貴が公演前日に倒れて入院したことを兄嫁から知らされた。
 その後、快方に向かっている経過を聞いてはいたが100日振りの直接の電話。
 もしもしに続けて病気見舞いを言う前に「あぁ、昨日、誕生日のお祝いを言えなくてご免よ。電池が無くなっていて・・・」入院中とは思えない張りのある声で先にお詫びを言われてしまった。

 兄貴の見舞いを兼ねて今年こそ春の故郷へ帰ろう。

                    輝 ☆彡 04.3.20


地震、雷、・・・

 火事が怖いと書いたけど、地震、雷、火事、水、おやじのどれよりも怖いのはヒトの心だね。と、しみじみ思う。だからこそ、芝居も映画も小説も成り立つのだけれど・・・・。

 トリインフルエンザ。
 死者を鞭打つ積りなど全く無いが、農場の会長夫婦自殺で、拡大した原因の追求が変に静かになってしまって気持ち悪い。これ以上の被害を出さない為にもその何故を究明しなければならない大事な時に、そのポイントを握る本人のあの自殺は卑怯そのもの。自己愛の現実逃避であって、自分が思ったであろう潔さやお詫びの心には残念ながら見えない。あの世にまで持って行かなきゃならないヒミツがあるとも思えないし・・・。
 素人が遊びで鶏を飼っている訳ではあるまいし(報道に間違いが無ければあの農場は5ヶ所の養鶏場で175万羽を飼育?)、日本で初めてトリインフルエンザが出た訳じゃあるまいに、鶏の大量死を「これ、なんやろな?」と思いつつも「弱った鶏から出荷するのが当たり前。子供の時から父親にそう教えられて来たこと」と悪びれもせずに言える社長のモラルの無さ。鈍感さ。一時の自分の利益を優先させて被害を拡大し業界全体に対する不信を招いた結果をどう感じているのだろう。早く公表して拡大を防いでいたら、良くぞ食い止めてくれたと感謝こそされ、不信の増大にはならなかっただろうと思う。
 業者は風評被害と言っているけれども、これは風評被害ではなく信用失墜の結果だと認識すべき話ではないだろうか。また「トリインフルエンザを出したとなったら生活が成り立たなくなるし保証も無い」からこんな結果になったと弁護する人もいるが、トリインフルエンザの自然発生は言わば天災。発生だけを非難する人はいない。効果の程はともかく国を挙げてイラク復興支援と言う美名に金を注ぎ込む今の時代、業界全体で働き掛けることによって国からの経済支援や救済措置も受けられるようになるだろうし、会長が副会長をしていた業界団体もこうした時の為にこそ存在しているのでは無いのだろうか。

 アメリカBSE問題で牛肉は食えない、加えて東南アジアでのトリインフルエンザで何肉を食べたら良いかと社会の気分が重くなっている所に、ヒトの心が生んだ日本でのこのトリインフルエンザ拡大は社会全体を更に暗くし、経済回復の足を引っ張る要因の一つにもなっている。と、遊び心を離れてしまう今日この頃である。
 そして自分。・・・プロとは何か。プロとはどうあるべきか。を考える。

                    輝 ☆彡 04.3.13


春は・・・

 今夜の大きな満月は黄色い春の色。沈丁花やヒイラギの花の甘い香りが漂い、ハクモクレンが咲き、明日からは春の陽気との予報。
  曙だけでなく、夕暮れ時も気持ち良く歩けるようになる良い季節に。ホッとします。

 5日早朝。その曙をうとうと楽しもうと思っていた夢の中に人々の叫び声。サイレンの音が混じる。寝ぼけまなこでカーテンを開けると、未だ明けやらぬ暗さの中に隣のアパートが見え、その上に闇のような黒煙がもくもくと上っている。
 ベランダに出ても火は見えない。ビルの陰から時折火の粉が飛んだが、しばらくして煙は白くなった。そして夜は明け始めていた。昨夜はいつもより早く床についたけど、これじゃ寝不足に。時計を見るともう1時間は眠れる。

 この時期、毎年の恒例は税金の確定申告と健康診断。
 この日は朝9時から掛かり付けの病院で腹部エコー検査と上部内視鏡検査。上部内視鏡検査とはいわゆる胃カメラ。好きでやる訳じゃ無いけど、年1回の健康診断は良い体調で仕事をするためにも、仕事で関係者に迷惑を掛けないためにも大事。7時に起床。
 以前6年間、その大学病院の近くに住んでいたことがあって、以来その病院がちょっとした風邪でも診察を受ける掛かり付けのお医者さんになった。
 寝不足の目をこすりこすり息急き切って病院正面に着くとそこには黒山の報道陣、テレビカメラの放列 ! おっとっとっ、何と長嶋監督が昨日緊急入院したのはこの病院だったのだ。
 1週間しないと判らなかった検査の結果が、今は診察を待っている間に出るようになった。緊張して診察室に入ると、パソコン画面に出た鮮やかな胃壁の画像を見ながら先生が「奇麗ですね。何も問題は無いですね」。いつものことながらホッとする。そして自信とやる気が起きる。

 病院を出て携帯の電源を入れて見ると数件のメールが入っていた。どれも「今朝お宅の近くで火事があったようですが、大丈夫でしたか?」と近火を気遣ってくれた嬉しいメール。テレビでも報道されたらしい。近火お見舞い、ありがとう御座居ました。
 帰りに火事のあった14階建ての建物を見て驚いた。別々の階の3軒が真っ黒に焼けていた。ベランダに飛び火したのだろうか!? 火事は怖い。

                    輝 ☆彡 2004.3.8


早春の味覚、きもと

 駅に行く緑道のコブシが今年も咲き出した。快晴の空にそのあたりをひと際明るく輝かせて。そんな時、つい「コブシ咲く、あの丘、北国の、ああ北国の春」と歌ってしまう。故郷の生家のコブシが咲くのは未だ二タ月も先だろうけど。

 先月、お腹をこわして医者に流動食を勧められた。
 おかゆ、素うどん、実無しのスープ、野菜ジュースそれにヨーグルトが基本。それを良く噛んで食べる。こんな物でもじっくり噛むと本当に時間が掛かる。これと比べたら、いつもはほとんど噛まずに飲み込んでいたのだと知った。

 一週間で体調回復して、普通食に戻る。さて何を食べようか。
 野菜を多く食べなさいと言う先生の指示に従って近くの山形八百屋に行くと、入って直ぐに、これッと言って目に飛び込んで来たのは故郷・庄内の早春の味覚「きもと」。冬の庄内砂丘で栽培された浅葱(アサツキ)だ。短く白く曲がった茎に緑の葉っぱ。ああ、口の中はもう酢味噌で和えたしゃきしゃきのあのきもとの感触を求めている。

 沢山の湯豆腐はかつおぶしをたっぷり掛けてシンプルに。きもとはさっと茹でたイカと一緒に和えて。
 うう〜ン、美味いッ ! この歯触り、やって来る春の喜びを感じさせる歯触り。スキッと鼻に抜ける甘い酢味噌。きもとのしゃきしゃき感とイカのしこしこ感の絶妙の取り合わせ。ああ、何と言う幸せな故郷の味だろう。

 ご飯も豆腐も、味噌汁にちょっとだけ浮かべた油揚も、醤油でさえこんなにしっかりはっきりと深くて個性的な味わいを持っている。美味しい !

 鈍感になっていた味覚を流動食が目覚めさせてくれた。この味覚の覚醒が他の四感覚をも刺激して、腹具合が良くなっただけで無く感覚の世界が広くなったような感じがする。
 この感覚、気のせいだけで終らせたく無いものだ。

                    輝 ☆彡 04.3.5


三寒四温

 と言うよりは一寒二温位の短い周期でどんどん本格的春が近付いている。
 気が付けば街角に沈丁花の香りが漂い、細い雪柳の冬枯れの枝に緑の芽が並ぶ季節になった。

 ベランダの椿が例年より早く咲き、全国的に梅の咲き出しも早かったが、黄砂がやって来た昨日、10センチ以上の花を豪勢につける大輪の椿バーバラクラークが咲いた(去年の開花は4月8日だった。何と早い ! )。そして今朝は斑入りの日暮(ヒグラシ)が咲きだして、その前から咲いていた舘つばき、侘助(ワビスケ)と共にベランダは椿の見頃。
 どれも25年から30年近くを共に春を喜び迎えて来た思い出多い椿たち。


俳優佐藤輝 つばき バーバラ・クラーク  バーバラクラーク


 バーバラクラークなどは、時間と体力だけがあって本当にお金の無かった頃、たまたま通り掛かった今は無い日本橋東急デパートの植木市で花をつけた苗に目が留まって欲しくて欲しくて買ったもの。当時としては高い4千円ほど。その手持ちが無くて、予約をして、家にあった金をかき集め取って返して手に入れた。それだけに毎年一番花の咲くのが待たれる。
 ところがこの季節、生憎と風が強い。一晩の嵐に耐えた花びらの先は茶色に傷んでいる。だから美しく咲き出した朝は一生懸命眺め褒め愛でる。

   俳優佐藤輝 つばき 侘助ワビスケ      俳優佐藤輝 つばき 日暮ヒグラシ   
               侘助(ワビスケ)                日暮(ヒグラシ)        

 今年は何故かヒヨドリが椿を食べに来る。色鮮やかな舘つばきははなびらだけでなく雄しべ雌しべの奥まで食べられてしまった。今迄は大目に見てきたのだが、今年は特別に鳥インフルエンザの発生が加わったので、愛嬢紅子の健康のためにも小鳥達には来訪を遠慮願っている。

 それにしてもエイズから始まってSARS、狂牛病、今度の鳥インフルエンザと続く地球規模の病気発生は何を語っているのだろう。

                    輝 ☆彡 04.2.27 
 

春一番、バレンタインデー、私は5歳

 朝一番に「5歳の誕生日おめでとう ! 」の声で目を覚ました。
 次に宅配屋さんのピンポーン ! 輝さんにチョコレートが届いた。
 昼過ぎから予報通りに南風。ベランダの椅子とワビスケ(侘助・椿)の鉢を倒すほどの強風。去年より18日も早い春一番だそうです。
 その様子を眺めながら輝さんは「おりふし北風木を折って激しく吹き荒れ、大波に船ども散々に打ち損ぜられて出だすことかなわず。・・・・」と12月公演の『子午線の祀り』(木下順二作)のセリフを言っている。難しくてわからないけど、輝さんは、その前には鈴鹿峠で山賊をしていた伊勢三郎義盛(いせのさぶろうよしもり)と言う義経の家来の役だそうです。
 夜、逆巻く風音は治まらないけど、Topsのチョコケーキにステキなキャンドルを5本も立てて「ハッピー バースデイ トゥーユー ・・・ ハッピー バースデイ ディア 紅チャン !  ハッピー バースデイ トゥーユー 」の歌。大好きなチョコクリームをなめた、倖せな誕生日でした。
 トリインフルエンザが一日も早く終ることをお祈りしています。

                    紅子 04.2.14

俳優佐藤輝 手乗り文鳥 紅子



月凍る・・・

 先月31日にNHK-BSで全国放送された『俳句王国』、如何でしたか?
 主宰の黒田杏子さんがいつも着ているもんぺ姿 (布が凝っている。この日はインドシルクのサリーから作った物) に続いて私の着物姿も話題になったが、私の「月凍る 街の眠りの 深さかな」が思いも掛けず自由題句の最高得点句になってビックリした。
 黒田さんは兼題句「遠来の 友の背中や 日脚伸ぶ」も選んで下さって、「佐藤さんの俳句、お上手だわ」のコメント。番組が終ってからも「お世辞じゃ無くて、本当に上手いわよ」と言って下さった。
 句会の楽しさを視聴者に見て貰う番組だから、無得点でも良いといつも腹を決めて俳句を出しているが、実際に点数が入って主宰にそこまで褒められると悪い気はしない。が、嬉しさを余り顔に出しちゃいけないと思いその後、番組の中ではつい大人しくなってしまった(自分が思っただけ?)。

     月凍る 街の眠りの 深さかな

  
  遠来の 友の背中や 日脚伸ぶ


 昨夜の月も真ん丸で、心の憂さを忘れさせる程に美しかったが、立春を過ぎた月にもう凍るような冷たさは感じられ無い。
 「月凍る・・・」は丁度1カ月前、溝ノ口にある『家族日記』の稽古場から遅く帰宅する時に見上げた月。稽古疲れと役作りの重い心を元気付けてくれた明るく大きく冷たく澄んだ満月。ミッドナイトブルーの夜空を一人照らしていた冬の月。
 黒田さんは「街の眠りの 深さかな」を素直に現実の情景として捉えるだけで無く、人の住んでいない砂漠の廃虚が死んで眠っている情景としても捉えられて面白い俳句だとおっしゃったが、俳句は解釈の仕方で更に大きな世界を感じさせてくれる。
 平山郁夫画伯の砂漠の月、船上から眺めた神殿を照らしながらエーゲ海に昇る月を想った。
                     輝 ☆彡 04.2.6


本格トレーニング、再開 !

 公演中にも日常のヴォイストレーニングとウォーミングアップ程度の運動をしていたが先週から本格的トレーニングを再開した。
 なにしろ12月公演の世田谷パプリックシアター『子午線の祀り』では、あの尺高(約30センチ)の階段を語りながら走り回らなければならないし、来年1月には旅公演が待っている。また、来年公演予定の『ラ・マンチャの男』にもあの長い階段が待っている。

 ほぼ2カ月ぶりに東陽町にある東京YMCAのプールへ行った。
 インストラクター付きの30分プログラム「エンジョイアクア」に自分のプログラムを加えて70分、走り、ジャンプし、前後に歩き蟹歩き、両足をそろえて空中に蹴上げ、プールサイドを利用してバレーのバーレッスンをする。これすべて水の中の運動。
 浮力によって足腰への体重の負担が少なくなるから思いッ切り身体を動かせる。と同時に大きな水の抵抗(水中で動こうとすると水は凄く重い ! )が負荷となって筋肉が鍛えられ、心肺機能も強化される。相当な運動量だ。足腰が心配になる中高年者には、将来寝た切りにならいための「転ばぬ先の水中ウォーキング」としてゼッタイお奨めする。

 去年の秋に突然プログラム編成を大きく変えたので「利用者のことを考えているのか?」と疑問を呈した東京YMCAのプール。その後プログラムを増やし、毎日水中運動が出来るようになった。が、・・・?
                     輝 ☆彡 04.2.2


冬の桜、啓翁桜。どんがら汁。

 サクランボの季節にお世話になっている山形、東根市の平山果樹園からひと足×3ぐらい早い春が届いた。満開の桜が玄関を飾っている。
 この冬特に雪が多いと言う山形から届いた桜は、真冬に開花するように促成栽培された、東根市特産の啓翁桜(けいおうざくら)だと言う。枝垂れ桜かと思う程にすんなりと細い枝に経1.5センチ程のピンクの清楚な花を密集させて玄関を明るくしている。寒風の外から帰った目をホッと和ませてくれる。

 真冬の日本海の味、寒鱈(カンダラ)。
 公演の度に舞台を観に上京してくれる兄が宅急便で送ってくれた。早速、どんがら汁 ! ! 正月の残りの岩海苔を浮かべて、うまうまと味わう。口の中に故郷の冬の海鳴りが広がった。
                    輝 ☆彡 04.1.31


1月も末 !

 慌ただしく過しているうちに1月も末。そろそろ寒肥の時期かと、今朝ベランダの鉢に固形の油かすを載せた。

 中島淳彦作『家族日記』(TALLY-HOプロデュース)が20日、下北沢の小劇場ザ・スズナリで好評無事に千秋楽を終えた。
 東京でも雪がちらついた寒さの中を多くの皆様のご来場ありがとう御座居ました。遠く山形や静岡からも来て頂きました。御礼申し上げます。
 いつもは若い観客ばかりの劇場が、この公演では幅広い年齢の観客で溢れたのが嬉しかった。
 深く重みのあるテーマを持った内容なのに、客席は爆笑続きで「中島淳彦喜劇ワールド」を堪能。観客の直ぐ目の前で演じられる小劇場空間の醍醐味を楽しんで下さったようです。メールやお手紙で頂いた感想は『てるてる広場』に掲載されていますので是非お読み下さい。
 大劇場への出演が続いた私にとって、目の前にお客さんの顔が見え、筋肉の細かな動き表情の全てを見られ、小声のセリフでも聞き取れるこの空間での演技は久し振りに新鮮。演劇の原点に立っている感じがした。演じながら、お客さん個々の反応を、笑いから息詰る緊張感まで一瞬一瞬感じられたのも新鮮だった。
 中島淳彦さんの台本が良い。声高に主張しない、駄目な(?)庶民の感情と存在感が何とも言えず暖かい人間の世界を見せてくれる。大人の鑑賞に堪える作品。中島作品のそこが好きで出演を夢見ていたが、TALLY-HOを作った箱木宏美さん、福山秀子さんがその夢を叶えてくれた。良くぞこの舞台をここまで創り上げたと感心する。お二人の制作努力に心から感謝申し上げます。
 中島さん、良い本を書いて下さって有難うございました。また機会があれば中島作品に出演したいと心から願っています。

 小劇場の千秋楽は終演後に全員でバラシ、片付けをして劇場から撤収。その後、打上げの飲み会は夜の11時過ぎから始発電車動き出すまでの徹夜が常識だそうだが、そんな体力は無いので明け方4時前にはお先に失礼した。
 それにしても作者の中島さん、書かなければならない台本があるのに千秋楽の舞台を観に来て、終演後にはマスクをして奥さん共々バラシを手伝っている。驚いたが、それだけ自分の作品、演劇を愛しているんだなあと感心した。

NHK『俳句王国』
 役のために伸ばしていた髪を4センチほど切って、23日には四国松山へ。
 24日放送のNHK・BS2テレビ『俳句王国』にゲスト出演した。
 1999年に初めて出演して以来、今度が5回目のゲスト出演。今回の主宰は俳人の黒田杏子(ももこ)さん。
 僕が俳句を始めたのは、10数年前に始まったNHK『BS吟行俳句大会』を見たのが切っ掛けだった。劇団の先輩小沢昭一さんや、舞台でご一緒した藤田弓子さん、吉行和子さんらが素敵な面白い俳句を作り俳人の金子兜太さん、黒田杏子さんたちと実に楽しく談論風発、丁々発止の句会を開いている。そうか、俳句ってこんなに活き活きと楽しいものかと思ったのが始まり。
 その後も『市民参加俳句大会』や『俳句王国』で一人俳句を楽しみながら、出演している元気な黒田杏子さんの面白さに魅かれ、いつかご一緒出来たら良いなぁと思っていた。
 今回念願叶ってご一緒の出演となって、これも嬉しかった。黒田さんがいつも着ている作務衣風モンペ姿に合わせて渋い塩沢・酒井織物製の着物姿で出演した。



黒田杏子さんとご一緒。


 24日の兼題は『探梅』
   探梅や 海の香遠き 汐見坂
   地吹雪の 晴れて一村 間近なり

 1月31日(土)午前11時〜11時50分にも出演します。兼題は『日脚伸ぶ』。是非是非是非ご覧下さい。

『子午線の祀り』の顔寄せ
 帰って来て26日には、12月に世田谷パプリックシアターで公演する木下順二作『子午線の祀り』の顔寄せが早々と行われた。
 本読みもすると連絡が来たので丁寧に台本を調べ読み込んで行ったのに、演出の観世栄夫さん(今回は単独演出)が登場人物の人間関係を説明し、出演者が名前のみの自己紹介をして終り ! だって。ずるりッと気が抜けそうだったが、お陰で早々とセリフが覚えられそうだ。
 影身の内侍を演じる高橋恵子さんと、映画『次郎物語』(森川時久監督)以来、もう15年にもなるかしらと、久々のご一緒を喜ぶ。調べてみたら18年も経っていた。

                    輝 ☆彡 2004.1.28


雪が舞う 『家族日記』4日目

 東京都心でも朝から小雪が舞い始めた。
 土曜日の公演に地方から観に来て下さる方も多い。遅れずに入場出来る事を祈っている。またお帰りの足も心配だ。

 初日からまずまずの客入り、爆笑が続いている。今日明日の昼はTALLY-HOも喜ぶぎゅうぎゅう詰めの客席になりそうだ。
 昨日、作者の中島淳彦さんが観劇。感想はホームページ「中島淳彦のクラクラ日記」をご覧下さい。
 僕が演じている大野豊は、戦争によってその後の人生を決められてしまった昭和一ケタ世代の一人。イラクに自衛隊が派遣されるこの社会状況の中、『ろば2003』のろば・一文字と同じく我々がもう一度検証しなければならない時代を背負っている大事な役だと思う。その思いを秘めながら軽く明るく楽しく演じている。

 NHK歌謡・演芸番組部さんからお祝いの胡蝶蘭を頂いた。劇場ロビーはお花畑。
 今回はミュージカルだといつも観に来て下さる方の観劇が少ないのが残念です。20日の千秋楽までまだ回数があります。こんな面白い舞台を見逃したら人生の損。是非、おいで下さい。

                     輝 ☆彡 2004.1.17朝
 

『家族日記』初日  1月14日

 面白い良い舞台が出来ました。
 大爆笑あり、クスクスあり、ほろりジーンありの奥深い作品で、お客さんも十分に楽しんで下さった様です。
  嬉しい初日になりました。小劇場系では初日打上げと呼ぶそうですが、気持ち良い初日の乾杯でした。
  さすが、中島淳彦ワールドです。

     俳優佐藤輝 TALLY-HO 中島淳彦『家族日記』 箱木宏美
左から長森雅人佐藤 輝、箱木宏美



小道具の餅を飾りて初稽古  1月8日

 『家族日記』。道具、音楽、効果音も決って初日まで6日。衣装を着けての通し稽古。


俳優佐藤輝 TALLY-HO 中島淳彦『家族日記』


 チケットは日時指定、自由席です。お名前、ご住所、電話番号、ご希望日時、枚数を明記してこのメールからお申し込み下さい。お待ちしています。

              2004年1月14日〜20日
         下北沢ザ・スズナリ

          開演時間  14日(水) ――― 19:30
                15日(木) ――― 19:30
                16日(金) ――― 19:30
                17日(土) 14:00  19:00
                18日(日) 14:00  19:00
                19日(月) ――― 19:30
                20日(火) 14:00  19:00



明けましておめでとう !
   
 2004年が明るく健康で仕合せな年でありますように !

 14日の『家族日記』初日まで12日。2日から稽古が再開します。
 昨年12月16日に全台本が完成して以来集中した稽古を続け30日に通した稽古を土台に、作品を再構築する稽古に入る。
 昭和63年に61歳だった『大野 豊』がどんなリアリティーを持って存在するか、これからの稽古に掛かっている。納得のいく『大野 豊』を存在させたい。

 『家族日記』公演直後の1月24日と31日にはNHK-BS『俳句王国』にゲスト出演します。主宰は黒田杏子さん。2004年の新春をどう詠むか、BS句会をお楽しみ下さい。

 今年12月には新国立劇場公演として好評だった木下順二作『子午線の祀り』が5年振りに世田谷パブリックシアターで公演され、その後九州、京都、大阪でも公演されます。
 源平の壇の浦の合戦を描いたドラマ。平知盛は野村萬斎さん。私も各紙の絶賛を頂いた源義経の家来、鈴鹿峠の山賊上がり伊勢三郎義盛(いせのさぶろうよしもり)役に挑みます。これは2005年に続く大きな楽しみです。

 今年も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
                     輝 ☆彡 2004.1.1



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